好きなもの、心惹かれるもの

本、音楽、陶器、織物、手芸品をご紹介します。

2020-03-01から1ヶ月間の記事一覧

「知られざるさすらいの愛」

相馬 勝著 講談社 2012 幼馴染の蒙古王族カンジュルジャップと3年の結婚、男児を授かる 川島浪速は、父親としての器ではなかった。愛新覚羅溥傑が父親代わりだったなら、全く違う人生になったのでは。それに愛新覚羅家として、家庭教師とか乳母とかなぜ一緒…

「五色の虹 満州建国大学卒業生たちの戦後」

三浦英之著 集 英社文庫 2017 日本政府が満州国の将来の運営を任せるために多大な予算をつけて新京に作ったスーパーエリートの建国大学。通常の大学の3〜6倍の巨費が投入された。学生達は日本、中国、朝鮮、台湾、モンゴル、ロシアの各民族から秀才を選抜…

「戊辰戦争の史料学」

箱石大著 勉誠出版 2013 海外に散らばった幕末史料が発見されたり、日本人の目に触れるようになったのですね。 p38 戊辰戦争に参加したシュネル兄弟に関する新史料。戊辰戦争期に会津・米沢・庄内などの諸藩に潜入し、奥羽越列藩同盟側に荷担した彼らについ…

「諜報の神様と呼ばれた男 連合国が恐れた情報士官・小野寺信の流儀」

岡部伸著 PHP研究所 2014 和平終戦工作に最も近いところにいた小野寺信。第二の明石元二郎といった感じです。違うのは、参謀本部奥の院に敵がいて、ソ連の参戦を事前にリアルタイムで知らせているのに、生かされないなど邪魔が入ったこと。蒋介石との直接和…

「少年皇族の見た戦争」

久邇邦昭著 PHP研究所 2015 曽祖父は孝明天皇の右腕、祖父母は米国大統領と記念撮影、ご本人は香淳皇后の甥、ローマ法王謁見、エジンバラ公と会議でご一緒、そしてなぜだか、ハプスブルグ家オットー・フォン・ハプスブルグ氏が久邇邦昭氏のご自宅を訪問され…

「義経の東アジア」

小島 毅著 2010 宋銭が日本に輸入され、代わりに金が輸出された話。 p17 宋と金とは紹興12年(1142年)に平和友好条約を結び、二十年近くに及んだ交戦状態に終止符を打った。ところが二十年後、金が一方的に条約を破棄した侵攻をする。宋にとって幸いなこ…

「古代は輝いていた」2

古田武彦著 朝日新聞社 1985 龍が向かい合う太刀 龍が玉を持っているデザイン、可愛いですね。 p78 対馬の伝承 「私の方の神様は、1年に1回、出雲に参られます。神無月です。その時出雲に行かれます神々の中で1番最後に参られて、一番最初に帰ってくる、…

「曠野の花 石光真清の手記」

石光真清著 中公文庫プレミアム2017 匈奴の末裔が馬賊なのでしょうか??? p10 西本願寺のウラジオストック出張所を訪ねた。この出張所には参謀本部から派遣されている花田仲之少佐が清水松月という僧名で住職を務め、機密の調査に当たっていることは、私も…

「熊襲は列島を席巻していた」

内倉武久著 ミネルヴァ書房 2013 興味深いことが色々。玉壁って初めて見ました。隠されていた古代王の印。 ウイグル王族が、このような三叉の冠をつけていた絵を比較として p35 宮崎県串間市から出土した玉壁。玉壁は、古代中国で皇帝など貴族階級が権威の象…

「夏王朝は幻ではなかった」

岳南、朱建栄著 柏書房 2005 夏王朝の前にも、別の王朝、国があったようですね。炭素14による年代測定、文献にある天象記録に基づく計算から夏王朝元年は前2070年とした、そうです。文献にある五つの惑星が直列、曲列したという記録。それを米国製ソフトで計…

「法隆寺のものさし 隠された王朝交代の謎」

川端俊一郎著 ミネルヴァ書房 2004 日本建築学会は川端教授の法隆寺の南朝ものさしについての論文を掲載拒否したけれども、平成15年北京清華大学の建築学院の学術活動に招かれ、院生達に法隆寺のモノサシについて講演をされたそうです。聖徳太子と言われてい…

「法隆寺は移築されたー太宰府から斑鳩へ」

米田米三著 新泉社 1998 p61 法隆寺金堂の天井鏡板の蓮の花の文様を描く作業と並行して、天井板に接する部分に多くの落書きが発見された。その中に「六月肺出」と書かれたものがある。 p64 観世音寺のある太宰府の北300mに位置する新羅でも彗星の記録が残っ…

「卑弥呼と神武が明かす古代」

内倉武久著 ミネルヴァ書房 2007 p51 絹織物研究の第一人者、布目順郎氏(元京都工芸繊維大学教授)の研究を紹介しよう。弥生時代に絹織物が出土しているのは北部九州一帯と、鳥取県の一箇所だけである。 今のところ1番古いのは、福岡市早良区の有田遺跡だ…

「太宰府は日本の首都だった」

内倉武久著 ミネルヴァ書房 2000 ハイライトは姫氏(紀氏)・松野連の系図。太宰府市周辺の古墳から盗掘された新羅風の冠と玉ねぎ型の冠も素晴らしいです。姫氏の王冠だったのでしょうか? p31 九州大学中橋博教授らと上海自然博物館の共同調査では、北部九…

「謎の古代巨大氏族 紀氏」

内倉武久著 三一書房 1994 姫、紀、貴、木、Ki氏は藤原氏の影に隠れてしまったけれど、天皇家の血脈にあり、紀氏としても現代まで繋がっているし、他の苗字でも残っている。 p32 紀氏は元来、中国の古代国家 周(紀元前1100-256)と、周の滅亡後分裂した国の…

「中世都市 博多を掘る」

大庭康時ほか 海鳥社 2008 「中世都市 博多を掘る」大庭泰時、佐伯弘次著 海鳥社 2008 p21 1218年、延暦寺末太宰府大山寺の神人で通事・船頭である張光安は、貿易の利権をめぐる争いからであろうか、石清水八幡宮領筥崎宮留守行遍・子息光助らに博多で殺害さ…

「日本人の心の故郷への帰路 幻の橋」

ヴァンミーター・美子著 レムナント出版 1997 p154 毎年過越の祭と仮庵(かりいお)の祭がイスラエル人の間で盛大に行われている。仮庵の祭は太陽暦では9月中旬から10月中旬になる。40年の荒野での生活と約束の地での主なる神の恵みの収穫を記念として祝…

「メキシコの大地に消えた侍たち」

大泉光一著 2004 p23 当時ペルーに居住していた大半の日本人は1610年前後に日本を脱出し、フィリピンのマニラとヌエバ・エスパニアのアカプルコ港を経由してペルーに辿り着いたのである。彼らは自然移民男子、日本からポルトガル領マカオに追放され、ポルト…

「贋金つくりと明治維新」

徳永和喜著 新人物往来社 2010 幕末の藩主自らの許可による贋金作り。証拠の日記が今でも残っていることには驚くばかりです。 p13 贋金作りのきっかけは、藩主島津斉彬が集成館事業で膨大な資金を必要とし、経済的補填を考えたため。 p214 両替商人は三井組…

「近衛文麿 野望と挫折」

林千勝著 ワック出版 2017.11.24 近衛文麿が、昭和天皇の前で足を組んでいた話はどこかで読んだけれど、昭和天皇を仁和寺に落飾させ、金堂に住まわせるつもりだったとか。戦死していただくことも、本当の国体護持ではないか、いうくだりが最も仰天したところ…

「沖縄決戦 高級参謀の日記」

八原博道著 2015.5.23 中公文庫プレミアム かなり広範囲に、アジア中に兵を送ったのに、なぜ北方四島と沖縄には充分な兵を送り、守備しなかったのでしょうか?戦争末期において、沖縄の守備はむしろ減らされていたなんて。読んでいると、孤独で冷静な八原大…

「雲南の歴史 アジア十字路に交錯する多民族世界」

川野明正著 白帝社アジア史選書 2013/12/20 雲南省が日本とほぼ同じ面積であること。その中に28もの少数民族が生活していること。鉱物資源の産地で、モンゴル帝国の銀の流通を支えたこと。聞いたこともない民族の名前がずらずらとリストアップされています…

「契丹 遼と10-12世紀の東ユーラシア」

荒川慎太郎 (編集), 高井康典行 (編集), 渡辺健哉 (編集)勉誠出版 2013 契丹語と古代トルコ語の皇帝、皇后、妃、王子、部族長等の尊称が同じって面白いです。どちらも同じ血族が支配したから?三叉の突起のついた帽子をかぶる西ウイグルの王族の壁画と、酷…

「匈奴ー古代遊牧国家の興亡」

東方選書 2015/10 沢田勲著 以前読んだ本の中で、面白かったことを要約します。 小林惠子先生によると、匈奴の末裔が突厥、エフタル、鮮卑のようです。これらの民族が、古代天皇家にも影響を及ぼしていたそうです。 この写真は、創元社の「図説中国文明史」…

Maggy Smith

ダウントンアビーのドラマと映画の中でマギースミス演じるグランサム伯爵の母バイオレットの衣装がとても素敵です。ネグリジェすらエレガント。 マギースミスの若い頃は超美人でした。彼女のお茶目さが、どの映画にも滲み出ていて好き。 マギースミスが歌っ…