中国ショートドラマ、アニメのような全部AIの俳優のは見る気がしないし、お顔があまりに気品がないのも見る気がしません。でも毎日かなりの数を見て、なかなか面白いと思っています。テレビを捨てて20年以上なので、日本のドラマや映画も知りませんが、人間模様に焦点を当てて見ると、面白いのです。今まで30年小林惠子先生の古代史を読んだり、他の歴史の本も読んできましたが、歳をとったせいか、活字を読むのが以前よりはしんどくなったせいもあります。ドラマは肩が凝りますが。日本語で読む歴史書は日本人が書いたものがほとんどで、日本人のフィルターがかかる。中国ドラマは中国人が中国圏で作ったものだから、真偽はともかく、価値観は見てとれると思います。誇張されていたり、時代設定が合わないとか、必ずしも歴史と同じでなくとも、そもそも誰にも真実の歴史なんて証明できないのですから。
執拗に主人公を虐める、嘘だらけのライバルが出てくるのは鬱陶しいのですが、こういうタイプの人って日本人にもいるわよね、と思ったり、この筋書きは日本史にもあったわね、と思ったり。実子が誘拐等で行方不明になり、養子を取って育て、16年後くらいに実子が戻ってきたら、養子の方が実子をあの手この手で殺そうとする筋書きも何度か見ました。生まれ変わって、その記憶を持ったまま、今世では殺されるのではなく自分が10倍返しで復讐するヒロインの話も何度もありました。
悪役の奸計に気がついて、聡明な方が、相手の筋書きをそのまま利用して裏をかいてやっつける筋書きが多いです。バレて驚く悪役の「不可能!」と叫ぶのもお決まり。水戸黄門の印籠よろしく、皇帝、皇后、将軍、名家の金属の金牌、銅牌や、翡翠の丸い飾りを通行証代わりにするのもすごく興味深いです。
呉服とか呉音というように、古代の中国からは王族も貴族も戦争で日本に逃げてきて日本に定住した人々がいます。呉は地名にもなっていますね。呉国の王の苗字は姫氏で、つまり紀氏だという説があります。明から清になった際にも、日本に逃げてきた人々がいると中華レストランの歴史好きの方から聞きました。その方によれば、楊貴妃が岡山に流されたのは本当なのだとか。
小林惠子先生の著書に出てくる時代は、匈奴、鮮卑、エフタル、突厥など遊牧騎馬民族出身で大陸からはるばる日本まで来て天皇になったとされています。1人で来るわけではないから、当然将軍や貴族もついてきました。だから中国ドラマの皇統争いが、そのまま並行移動して、日本でもあったと想定して見てみると、実感が湧きます。皇太子が父の天皇を殺したり、その逆であったり、皇子同士の争い、前天皇の弟と前天皇の息子との相続争い、等々。日本では皇后や側室が、ライバルの赤子を殺す話は表には出てきていないと思いますが、鬼塚英昭の著書では明治天皇の側室がライバルの赤子を全て殺したので、大正天皇を孕った方は密かに宮を出て出産したと書かれていましたっけ。もちろん本当かどうかはわかりませんが。
日本では天皇が直接戦場に出向いて戦ったのは古代だけ。平城天皇のあとからは、日本に閉じこもり、武力も直接本人が戦場へ出向いたりしなくなり、貴族はもっぱら陰陽道というイメージがあります。小林先生の説では、唐時代までは唐の皇帝の許可なく天皇を決められなかったとか。武則天は日本に興味はなく、口出ししてこなかったそうです。それ以後、中国皇帝は日本への関心を失い、皇統に口出しをしなくなったのだとか。往々にして高句麗、新羅、百済の王と天皇が一人二役、二国または三国を治めたとされています。
古代に女帝が多かった理由は、もしかすると、当時の皇統は遊牧騎馬民族が主流だったから、女帝が擁立されても伝統的にやっていけたからなのかもしれません。小林説では、短期的な、天皇と天皇の間を繋ぎ、時間稼ぎをするための女帝のケースが多かったのですが。卑弥呼くらいの古代では、むしろ女帝の方が主流だった説もあります。古代日本は縄文時代から女帝だったけれども、大陸からやってきた遊牧騎馬民族に武力で負けて、日本の女帝に婿入りする形でないと、天皇として周囲が認めなかったのだとか。
わからないのは生贄のことです。始皇帝の兵馬俑が有名ですが、南シベリアで発掘されたスキタイ王族の墓にも、王の死に際して、名門の若者や名馬も殺して一緒に陪葬されています。鬼道というのか陰陽道というのか、中国ドラマにも数百名を犠牲にして、自分の家に福をもたらす、という謎のストーリーがあって驚愕したのです。諏訪には、7歳の男児を犠牲にした行事があったという本を以前紹介しましたし、小林先生の著書でも、奄美大島からクレタ島まで絹を輸出していて、ジサイという水難に遭った際には生贄として海に捧げる人を乗せていたと書かれています。陰陽道がどんなものか私は知識がないので、余計に謎です。ユダヤ教では、羊を捧げて神に祈るらしいのですが、それがなぜ人になるのか。
江戸のお堀は、天海が結界を張ったと言われていますし、京都周辺の神社は、星型になるように建てられて、結界になっているとか読みます。奈良の東大寺の大仏も、何か結界に関係がある説も読んだことがあります。このあたりは全く未知の領域で、わかりませんが、元を辿ると大陸から来たものなのかもしれません。だって縄文時代の一万年は、戦争がなかったわけだから、呪術もなかったと思うから。
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将軍といえば沈氏がよく出てきます。有名な苗字なのでしょうね。顧氏は太子妃を出す名門の苗字としてよく出てきます。安禄山はソグド系らしいのですが、仁徳天皇は安息国王の安氏と慕容氏との混血だと小林先生は書かれています。安康天皇もその子孫だとか。安息国とは別名パルティアです。日本には安藤、安井、安川などの苗字がありますが、安氏の家系なのかもしれません。許氏は現在の俳優や卓球選手にもいましたが、古代の許という国の王だったとか。苗字も面白いです。
そして顕著なのが、やられたら必ずやり返せというマインド。目には目を、って日本人は水に流す縄文式のマインドが主流ではないかなと思うから、そこは違う気がします。日本人がなんとなく持っている、宗教とは関係なく、お天道様が見ている、という神の概念、植物や鉱物など全てに魂が宿っているというアニミズムの概念を、中国人は持っていないのでは???それとも持っているタイプの中国人もいるけれど、主流ではないのかもしれません。
親が冤罪で流罪や死罪になり、子が娘であっても恨みを晴らすというストーリーもすごく多いです。個人というより、家の面子がかなり大事らしい。そうは言っても、復讐や平定後は、家に縛られず、自由な人生を生きたい、と名家の立場や皇子、皇帝の立場すら捨てて、新天地へ逃げてしまうエンディングも多々ありました。やたらと顔に平手打ちをするシーンが頻出しますが、これ俳優さんも痛いですよね。歯が痛くならないのかしらと思います。
一方どんな環境にあっても、女子1人で逞しく人生を切り開くタイプのストーリーはスケールも大きくすごいなと単純に思います。また女性が身分が低くても聡明で、出世していくストーリーも多い。奴婢の身分から(元々はそれなりの身分だったのに継母に奴隷に売られた?)、宮廷でのしあがって皇后にまでなる話、始皇帝の母もそうですが、そのくらいの天と地ほど違う展開の話もよく出てきて、日本だとそういう話ってあったかしら?と思いつきません。あったとしても、記録に残っていないのかしら。遊牧騎馬民族の皇后は、戦場に一緒に出向いたし、政治にも関与したし、権力を持っていたそうなので、だから軍を動かす権力も古代から持っていたのですね。遊牧騎馬民族が多かったからこそ、女子ものし上がれたのでは?
御簾の後ろに潜んで、やりとりも侍女に任せきりの源氏物語のような世界は、むしろイスラム的な気がするのです。イスラムは女性がベールで顔を隠し、家の外に出ませんし、まして武道なんて考えられませんよね。これってペルシアから移民してきたペルシアの貴族の伝統なのかしら?
中国の刑罰が凄まじいのは、言語が通じないからかも?と想像しています。隣村では言語が違うと聞きます。古代は普通語と言われる標準中国語ってあったのかしら?上海語も北京語とは結構違う言い回しなんだなと思ったので、古代は国内でも言語が通じたのかしらと不思議なのです。国を跨いで移動する場合、権力者は通訳を連れて出かけたのだと思っています。例えば小林先生によれば、平城天皇が皇太子(安殿親王)時代に皇帝の要請で中国大陸に応援のため戦争に出向いた5年間には、外交官として空海を帯同しています。戦争終結の際に協定書を中国語で書いたり、交渉するためです。古代の首都は長安ですから、長安の言語が標準語だったのかな?
吉宗がドラマで庶民になりすまして街に出向くのと同様、中国の皇帝や太子や公主も、平民になりすましたりして、街に出てくるシーンがあります。実際にそういうことはあったのかしら。公主に至っては、なぜか街で高級酒場を開いて情報収集をして、父皇帝に報告するドラマもいくつかありました。影のオーナーとしての立場ですが、日本では考えられない設定です。
古代の人間関係は、現代でもほぼ同じなのかしら。ここまで仕返しにこだわるのか?奸計を巡らし、ライバルを陥れるのは、現代中国ドラマにも出てきます。悪役と優秀で聡明な人との対比がほとんどですが、一人の人間の中に、善と悪が両方あるのが普通だと思うので、徹底的に悪人は悪人に、有能で聡明な人は徹底的に善人になっているのもある意味すごい。
上流家庭の夫妻や、王と部下の会話で、「つまりあなたの意志は、こういうことですね?」と確認する場面が頻出するのは、慎重なのか習慣なのか。誤解を避けるため?日本ではあまりない習慣では?一方、お忍びで来ている位の高い人を目前にして、やたらと威張り散らして、跪けとか暴力をすぐ振るおうとする場面が多いけど、これって国民性なのか悪役の特性なのか。
名門貴族が商売や貿易で富を蓄え、公金を横領し、皇子と結託して皇帝を倒そうとするストーリーも頻出。北の蛮族と通じて、自国の将軍と軍を皆殺しにして、皇帝を倒そうとする筋書きもよく出てきます。中国の歴史って過酷だなあと感じます。
中華料理店で、大声で話して騒がしい一家もあれば、新幹線でいるかいないかわからないくらい静かなお金持ちそうな中国人一家もありました。ヒソヒソ声で、中国語だなと気がつく程度でした。女性も175cmくらいある高身長の一家でした。育った地域、家の職業、来日目的にもよるのでしょう。一方グリーン車なのに、日本人サラリーマン2人の片方が、ずっと大声で話しっぱなしで騒がしくて眠れなかったケースもありました。国籍だけではないですね。
東儀秀樹、玉木宏にそっくりの将軍や中野良子、上戸彩にそっくりのヒロインがドラマに出てきたり、お顔が日本の俳優女優に似ているケースが時々あって、とても不思議です。