以前聞いた話。館ひろしさんのお父さんが、井上陽水に1億円を出して、息子の為に曲を書いてもらって、歌手デビューしたのだとか。そこで、「あ!そういえば」と辻井さんのドキュメンタリー動画のことを思い出したのです。何故私は違和感を感じたのかを。あのショパンコンクール一次選で、お母さんが白の最新のシャネルスーツを着ていたのを見て、「お金ならあるんです。」と主張されているように、私は感じたのでした。
クラシック音楽をプロでやろうと思ったら、とてもお金がかかります。40年前で、オーケストラを1時間だったか2時間貸し切ったら、25万円と聞いたことがあります。伸行さんが7歳くらいから、オーケストラを雇って協奏曲の伴奏をしてもらったり、何かと豊かな資金で、息子さんの為により良い環境を整えられていたのは動画にも出ていました。でも、まさかドキュメンタリー動画を撮ってもらって、地上波で番組として流したり、youtubeで流すことで、プロモーションにもされていたのではないか、とは思いつきませんでした。
私の想像になりますが、一次予選後に、ポーランドのTVメディアから、辻井さんはインタビューされていますから、その際に、個人的に辻井さんがショパンコンクールに出ているところだけを映す番組の為にカメラクルーを同伴していたことなど、主催者側にわかってしまったのでは?そして、それが主催者側にしたら、公平を欠くという意味でも、前代未聞だとか逆鱗に触れた?のかもしれませんね。だから早くお引き取りいただきたくて、一次予選で落としたのかもしれません。お母さんが民放のアナウンサーだったとのことで、プロデューサーとも連携があり、あれだけ多くの辻井さんの個人的な番組が撮れたのかも?視聴率も良かったのでしょうし。
逆に、米国ヴァン・クライバーンコンクールでは、個人的にカメラマン同伴で、あれこれコンクールを撮影していてもOKだったんでしょうね。審査委員長が、許可されたのだと思います。審査委員長が、辻井さんがオーケストラとうまくコミュニケーションが取れていたか、指揮者に質問しているところまでカメラは映していました。指揮者は、「目が見える人よりも、むしろ辻井さんの方が、うまくできていたくらいだ。」と褒めていました。また、審査委員長が、「辻井さんが耳だけで超難解な課題曲を学んで、完璧に弾いた時、我々は皆、涙を流して、本来しない拍手を止められませんでした。」と語られていました。米国の価値観では、苦労して上り詰めていくストーリーは肯定的に捉えられていると聞いたことがあります。
辻井家が雇ったカメラマンなら、全体を映すのではなくて、もう1人の優勝者を映すこともなく、辻井さんだけにフォーカスするわけです。もしくは、行ったのは番組クルーかもしれません。学芸会とか、運動会、我が子だけを親が一生懸命撮りますよね。あれに似た印象を私は感じたんです。そしてやたらとお母さんが画面に出てこられるのもどうしてかしら?と思っていました。まるで、盲目の息子を世界的なピアニストに育て上げた私....を演じている女優かのように。謎が解けてスッキリ。そういう目で見ると、とてもピッタリ来たのでした。良い悪いではなくて。
辻井伸行さんは天真爛漫だし、それを計画したわけでもないですが、それでも何か、変、と感じられたのではないでしょうか。「ショパンコンクールは落ちて良かったんだよ。あれが悔しくて、猛烈に練習するようになったから。」と言われていました。
気の毒にも、クラシック界で辻井さんの同年輩のお友達もいなさそう。石井琢磨さんや、反田恭平さん達が、クラシック界に大勢友人の輪があって、ジョイントコンサートをしたり、イベントを楽しそうにされています。石井さん、反田さん、その友人たちも、地道にコツコツ、お一人で、自前で撮ったyoutubeを流していらっしゃいますね。内情を知っているから、辻井さんに近づかないのかも。音楽界も、商売にならなければ成立しないんでしょうね。
始めの頃は、辻井さんが「早く結婚したい。」と言われていたけど、後の方になって、クライバーン優勝後、「僕の恋人はピアノだから。」とスタンウェイのピアノ工場で、8台くらいピアノを夢中になって試し弾きして、お買い上げになったシーンが印象的でした。声を聞いただけで、おそらく伸行さんは、相手がどんな人なのか、瞬時にわかってしまうんじゃないかと思います。