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蛇が象徴するもの

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「サルタ彦大神と竜ー古代の子宝信仰」谷戸貞彦著

 

谷戸氏は、蛇は男性自身を象徴していると書かれています。藁蛇も、縄文土器についている蛇も、そういうことなのでしょうね。古代において最も重要だったのが子孫を残すこと。

アジアにナーガと呼ばれる大蛇がありますが、日本にも地名で残っていますよね。福岡県那珂川市、栃木県那珂川町。栃木県那須山麓から流れる那珂川。伸ばして発音するとナーガです。川は蛇のイメージにぴったりですね、形が。

以前は、インド、東南アジアの蛇信仰を持つ人々が日本に移住して来たのかと想像していましたが、縄文時代から、日本に蛇を男性自身の象徴として崇める素地があったということのようです。

環状列石の円形に並んだ石が女性自身、直立している石が男性自身を表しているとも書かれています。これは欧州にもありますね。秋田県鹿角市の野中堂遺跡の環状列石とブルターニュの直立した巨石遺物を例にあげて説明されています。パリの広場にあるオベリスクも同じく男根を表していると、どこかで読んだ記憶があります。

御柱祭の柱とか、大黒柱も男性自身を表したものだとか。愛知県小牧市田縣神社三重県津市の仲山神社のように、そのものをご神体としたお祭りがありますし、ズバリの形の岩は全国にありますね。

古代は女性上位の世界で、通い婚、女性に選んでもらえなかった男性はずっと独身だったことが万葉集からもわかるとか。

それで思い浮かんだのが紅白の水引です。水引も縄が上品になっただけで、元は蛇というか男性のものを象徴しているのでは。なぜ紅白かといえば、紅は女性の生理の血の赤を表し、白はこの本に書かれているように、精液を表しているのでしょうね、きっと。

 

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