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「失われたミカドの秘紋」

加治将一著 祥伝社文庫 2014年

 

日本語とヘブライ語に共通点があるということは、多くの本が出ています。例えば、ヘブライ語でヤマトとは、ヤー・ウマト、神の民という意味であるとは読んだことがありました。

この本では、漢字が聖書の故事に基づいて作られているという驚きの仮説と、日本語と古代突厥語が似ているという説が新しい気付きです。突厥族が日本に住んでいたことは、小林惠子説でお馴染みでしたが、古代トルコ語と日本語に共通点があるという具体的な例を読んだのは初めてで面白いです。以前より、日本語、韓国語、トルコ語は同じウラル・アルタイ語の範疇にグループ分けされていることは知っていました。

 

p428 古代トルコ語 オホシディ 日本語 おいしい

   古代トルコ語 アカル   日本語 あかるい

   古代トルコ語 トルト   日本語 とる

p432 古代トルコ語 ソギーク  日本語 すごい

   古代トルコ語 ヤワッシュ 日本語 やわらかい

   古代トルコ語 カッティク 日本語 かたい

   古代トルコ語 ガウガ   日本語 がやがや

   古代トルコ語 グラット  日本語 ぐらっと

 

騎馬民族がもたらした日本のことば」東厳夫著 2009に書かれているそうです。この東氏の語学歴がとんでもなく幅広いですね!

東 巌夫
1924年鹿児島県に生まれる。国立鹿児島高等農林学校(鹿児島大学農学部の前身)を卒業。東京学芸大学付属世田谷中学校教諭、東京学芸大学理科教育学の非常勤講師を定年退職の後、1989‐92年、北京中央民族学院(北京中央民族大学の前身)に留学。さらに続く10年間毎年4ヵ月留学して、ウイグル語、古代テュルク語、ロシア語、モンゴル語満州語を学ぶ。その他の言語学習歴は、独・仏・中・韓・ギリシャラテン語に及ぶ。

 

またキリストの墓が青森にあり、十字架にかかったのはキリストの弟だとか、開封ユダヤ人が多く住んでいたと以前読みましたが、中国大陸にて皇帝以下、ここまで景教が盛んであった時代があったとは、思ってもみませんでした。

 

p377 チャイナは、仏教より桁違いに早く、ゾロアスター教ユダヤ教キリスト教に染められていたという歴史です。一足も二足も先に西の諸宗教の漢字用語があった。実はチャイナの主人というべき宗教はユダヤ教キリスト教で、先にそっちの用語ができていたと考えるべきではないか。それを後発の仏教が借用したと考えられるのです。

したがって「沙門」と言う漢字も仏教の出家僧ではなく、キリスト教のシモンの音写で、宣教師あるいは熱心な信者を意味していた、というのが僕の見立てです。

 

p386 唐の太宗皇帝がキリスト教を厚遇した。三代目高宗皇帝は、長安ならびに諸州に景寺の建設を奨励し、アッシリア東方教会の宣教師アブラハム、漢名:阿羅本に「鎮国大法主」の称号まで与えている。

空海は唐から帰国して、福岡宗像市に鎮国寺を造っている。また空海長安から聖書を携えてきたという噂がある。空海のいた西明寺と大秦寺は地理的に近かった。石碑「大秦景教流行中国碑」によれば、玄宗、粛宗、代宗もキリスト教景教)を敬っている。大秦寺、光明寺大慈恩寺、西明寺、鎮国寺すらキリスト教会だったと考えるのは勇み足だろうか?

 

さてと、仏教と景教が混じっている感じがしますね。それに、マニ教ゾロアスター教聖徳太子の時代には混じっていたようです。仏教だと思っていたものが、ヒンズー教の神々も入っていますし、混じりっけなしの仏教ではなかった気がしてきます。お寺の建築にしても、ペルシア、インドの影響が見られたのですから、教義においても他宗教の影響があってもおかしくないでしょう。キリスト教マニ教の影響も受けていると書いている本もありますし。改めて、仏教だと思っていたものが、何であったのか、少々混乱してきます。臨済宗芥川賞作家の玄侑宗久氏は、かなり以前から、カトリックキリスト教と仏教はとてもよく似ている、と書かれています。

保有政氏の動画でもヤが何を指すか、指摘されています。

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https://www.youtube.com/watch?v=78C8pPVbRVk