好きなもの、心惹かれるもの

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愛する人の幽霊の気配

「解憂」の歌詞の最後の方、「絶望の中振り向けば、あなたが死してもなお佇んでいる。」とこの方は、美しい日本語訳をつけていらっしゃいます。おそらく母国語が中国語の方で、在日なのか日本語がとても流暢な方ですね。この詩が受け入れられているということは、現代の中国人の心は、死しても愛する人の霊魂がそばにいると信じているのでしょうね。うーん、日本だとそれは成仏していないことになるんでしょうか。

小林惠子先生が、中国の史書は比喩が多く、星が流れた、など星の異変がある時は皇帝など皇位の人物が亡くなったことを表すと書かれていました。暗殺されたような場合も非常に比喩的な表現で、それを書いて著者が殺されることがないように書かれているとか。日本の史書も似たようなものだったと思います。

この「死んだあなたが、私の後ろに立っている」という部分や、「あなたの為に私を忘れて」という表現は、心にグッとくるものがあります。そして思い出されたのが、バレエのジゼルが死んで、王子がお墓に花束を持って夜中にやってくるシーンです。王子は何か気配を感じ、そして目には見えないジゼルの幽霊が、自分が捧げた花を投げたことにより、ジゼルが今、ここに自分に会うためにいるのだと気が付く。そして二人の踊りが切なくも美しい音楽と繰り広げられるシーンです。バレエ、ラ・バヤデールも似たようなシーンがあります。どちらも美しい音楽と踊りです。

ロシアと中国は、宗教的には全然バックグラウンドが違うけれど、愛する人の幽霊が会いに来るという感覚は、国を問わずに民族に関わらず、あるものなのでしょうか。

と書いたところで、ジゼルは、パリ・オペラ座で初演されていたことを知りました。パリで忘れられたあとで、ロシアバレエで復活したのだそうな。フランスにしてもロシアにしても、宗教はキリスト教系。中国は道教儒教、仏教のイメージがありますが、景教もありましたね。そうそう、景教は隠れキリスト教というのか、原始キリスト教と言われていましたっけ。唐時代に景教のお寺が増えて、日本にも秦氏が持ち込み、広隆寺景教のお寺ではと言われていますね。

『ジゼル』(仏: Giselle)は、1841年にフランスで初演されたバレエ作品。初演時の題名は 『ジゼル、またはウィリたち』(仏: Giselle, ou Les Wilis) 。音楽はアドルフ・アダン、振付はジャン・コラーリとジュール・ペローが手掛けた。 本作は、中世ドイツの村を舞台に、恋人に裏切られて命を落とした村娘ジゼルが、死後に精霊ウィリとなって、愛を貫く様を描いた物語である。ロマンティック・バレエの代表的作品であり、世界中のバレエ団で上演されている。

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『ラ・バヤデール』(仏: La Bayadère, 「インドの舞姫」の意)は、1877年にサンクトペテルブルクで初演されたバレエ作品である。 ロシアにおける題名は『バヤデルカ』(露: Баядерка)。同じ物語で1830年にフランスでフィリッポ・タリオーニ振付による 『神とバヤデール』(仏: Le Dieu et la bayadère)が先行して作られていたため、ロシア以外では「ラ・バヤデール」の名称が一般的となっている。

ラ・バヤデールもフランス作品だったんですね。ロシア革命で、多くの貴族、画家や音楽家がパリへ亡命したのは、こういう文化の繋がりがあるからなんでしょうね。

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