サスペンスです。邦題「華麗なる相続人」。「シャレード」の二番煎じの感じ。冒頭で殺人現場が出てくるところも同じです。最後まで今ひとつわからなかったのが、首に赤いリボンを巻いた被害者と犯人との関係。このエピソードは別にいらないのに、と思いました。むしろ悪趣味。息子たちが10代で、10代お断り映画になっていて、娼婦と大男のベッドシーンが何度か出てきて、そのまま被害者が殺される。このシーンが入ると知っていたなら、オードリーは出演をOKしなかったのでは。このシーンがあるから全体のバランスも下げていると思います。
エレーヌがベッドに横たわっていて、リースがYシャツを着てネクタイを締めているシーンは結局この二人は浮気したのかどうかよくわからない。夫役リースと一緒のシーンが少ないから、会話も行動も別々だし、どこに行っていつ帰るという連絡も互いにないみたいで、エリザベスは疑心暗鬼になってしまう。リースだけがお金のトラブルがない。パリで一夜を過ごしても、夫婦としての信頼関係が確立していないし、リースよりなぜアレックの方を信用しているのかわからないです。リースは互いに信頼し合おう、と言っていたけど、そのリースにしても、行き先も言わずに出かけるし。彼女を不安にさせてしまう。
アレックが犯人だったのですが、バックにいる犯罪組織がサム、エリザベス、秘書、新薬発明の社員などを殺したわけで、アレックの単独ではない。なんか後味の悪い映画。脚本が今ひとつと思いました。「シャレード」や「暗くなるまで待って」の方がずっと素晴らしい。夫役のベン・ギャザラはイタリア系米国人で、オードリーと同じ歳。もっと二人のシーンがあった方が良かったのに。オードリー以外は全て脇役のような設定。最後のTV映画Love among Thievesの方が、おバカっぽいけど、気分の悪いシーンはなかったし、まだ良かったかな。オードリーのイメージキャラは気品だと思うので、彼女の気品を下げるようなシーンが二度もしつこく出てきて、更に予告映像にもその殺人シーンが使われているのが気持ち悪くてドン引きしました。
オードリーのこのヘアスタイル、「ロビンとマリアン」でもこのヘアスタイルでしたが、シニヨンの方がお似合いでは。50歳で、今までになかったストラップドレスや胸が大きくあいたドレスをお召しになるようになりました。これもユベールのデザインです。彼女は普段着にはラルフ・ローレンやジーンズも履いていましたが、ウエスト52cmのジーンズなんて、見たことありません。特注だったんでしょうね。
これでユベール・ド・ジバンシーの夢のようなワードローブをほぼ見ることが出来ました。熟年になってからの街着は、絹地であるけれど、わりと平凡なデザイン。でも黒のロングドレスはシルエットは平凡でも凝った作りになっていて、彼女が着て歩くとセクシー。
1954年Roman Holidayではローマにお金を落として観光を活性化、1956年から1966年までのパリを舞台とした映画で、エッフェル塔、ルーブル美術館、オペラ・ガルニエ内、セーヌ河でもロケして本土空襲のなかった米国からの観光客を呼び込んだと言えるかも、と思いました。特にFunny Faceでのエッフェル塔、ルーブルのニケ像、オペラ・ガルニエの階段ロケは、フランス政府の協力があっただろうことが想像できます。「戦争と平和」のロケがイタリアだったそうですし。この映画を見ていて、パリもチューリヒもイタリア領サルディニア島も舞台になってたのね、と思いました。
最後の映画にしても、オードリーは、天使の役でチョイ役でしたが、10億円の出演料を恵まれない子供たちに全額寄付したのだそうです。ユベールが、彼女の一生でもっとも彼女を理解した人物だった気がします。ソウルメイトとでもいうのでしょうか。彼も、晩年、服や装飾品をクリスティーズのオークションに出して、1億円ほどの売り上げを恵まれない子供たちに寄付したと読みました。
wikiwandなどに映画の詳細のあらすじが載っていました。
世界でも有数の大企業ロフ製薬の社長サム・ロフが冬山登山中に滑落、死亡が報じられる。行商から一代で大企業に築き上げたサムは、会社を守るために経営をロフ家の血族で固めていたが、その血族である重役らは、それぞれに金銭的問題を抱えており、サムの死亡に色めき立つ。英国貴族のアレック(ジェームズ・メイソン)は若い妻ビビアンの浪費に悩まされており、野心家のエレーヌ(ロミー・シュナイダー)は会社乗っ取りを目論み、夫シャルルもまた横領・贈賄に手を染めていた。
シモネッタ(イレーネ・パパス)は夫イーボ(オマー・シャリフ)との間に3人の娘がいたが、イーボは愛人ドナテラとの間にも3人の息子がいて養育費を要求され逃げ回っていた。彼らは株を公開し売却することで大金を手に入れることを画策していた。
唯一血族ではない重役リース(ベン・ギャザラ)がニューヨークの博物館で働くサムの一人娘で相続人であるエリザベス(オードリー・ヘプバーン)を迎えに行く。
重役会議が開かれ、一同は銀行の負債を理由に株の公開を提案するが、エリザベスは父の意思を尊重し株の公開を否決、自分が社長を引き継ぐことを宣言する。リーズと秘書ケイト以外の面々は困惑と不満の色が隠せないでいたが、その時、事件の捜査をしていたマックス警部が社を訪れ、ザイルが銃弾で切断されていたことから、サムの死は殺人だったことが判明する。衝撃を受けるエリザベスだったが、彼女は生前父が残した録音テープから、重役の中に企業秘密を外部に漏らしている裏切り者がいることを知る。ケイトと地中海サルジニアの別荘へ飛んだ彼女はそれ以後、たびたび何者かによって命を狙われた。
多額の借金が銀行にあり、エリザベスは血縁でない亡き父サムの右腕リースと結婚することで、銀行を信用させた。
警部はコンピューターを駆使してロフ一族全員の身辺を洗っていたが、それと並行して、パリやロンドンで起こっていた娼婦連続殺人事件も調査しており、それがロフ一族の件と同じ犯人によるものであることを確信していた。彼女たちの首には赤いリボンが巻いてあった。
サルディニア島で結婚式が開かれ親戚一同が集まるが、エリザベスがホーナング警部にサムのテープを渡そうとすると、盗まれている事に気づく。エリザベスは結婚初日から銀行との打ち合わせで秘書ケイトと共にスイスの本社に戻る。本社を出ようとして社長室前のエレベーターを待っているときに、エリザベスはイヤリングを忘れていた事に気づき、取りに戻っている間に秘書のケイト1人が乗るが、そのエレベーターが墜落してケイトが死ぬ。また、イギリスではビビアンが救急車で運ばれていた。他の親戚達もそれぞれもうのっぴきならないところまで来ていた。
形式だけの結婚と言っていたが実はリースを好きだったエリザベスは、リースにパリに呼ばれ喜んで出向くが、単に仕事の件だった。夜にはマキシムで2人で食事をしに行くが、リースがキスして挨拶した複数の女性に嫉妬し、エリザベスはマキシムを走って出てしまう。追いかけて来たリースに「あなたが好きなのよ、わからないの?」と言うエリザベス。リースは驚き喜ぶ。初めてその日夫婦として結ばれた。
ある晩、ジョエッペリ博士のもとへ誰かが訪ねてくる。エリザベスに誰も入れるなと言われていたが「あなたなら」と中へ入れてしまって殺された。その夜エリザベスが寝ていると電話が鳴り、研究所が燃えており、ジョエッペリ博士が死んだ事を告げられる。リースはどこへ行ったかわからない。
翌日社長室で、ホーナング警部からリースを含む親族の身辺を洗っているところだと教えられる。リースに疑いを持ったエリザベスは、会社のリースの部屋に行ってみるが、そこで開かない引き出しがある事に気づき、無理やり開けてみると、中にはエレーヌからの手紙、盗まれたサムのテープ、ピストルが入っていた。エリザベスはホーナング警部に別荘のあるサルディニア島に来てと連絡する。そこへリースが戻ってそちらへ向かっていると内線が入り、エリザベスは慌てて逃げ出す。
エリザベスがサルディニア島に行くと、空港では警察が待っていて24時間護衛すると言う。別荘に着くと、緊張で疲れたエリザベスに警察官がコーヒーを出してくれ、ウトウトしてしまう。強い風の音で目覚めると夜になっていた。寝過ぎてしまったと思うが、護衛していたはずの警官達はどこにも見当たらない。コーヒーに細工されていた事に気づいたが、既に電話線も切られていた。その時家中の電気が消え、誰かが階段を上がってくる音がする。事故死には見せかけまいと、部屋中の家具を倒したり壊したりして争った形跡のようにするが、その時部屋の隙間から煙が入り、炎が上がった。ベランダから屋根によじ登り、別の部屋へ逃げようとするエリザベス。すると下のベランダからエリザベスにこっちだと呼びかけるアレックとリースが。しかしその1人の手には殺人の証拠の赤いリボンが握られていた。エリザベスはアレックのいる方のベランダに屋根から降りた。絶体絶命の危機に、ホーナング警部が到着、犯人を見極めてライフルで撃ち、彼女は助かる。アレックが博打好きの妻ビビアンを殺害し、連続殺人に見せかけ、殺人の疑いがリースに向くように工作したのだった。
主役のエリザベスの役は、ジャクリーン・ビセット、キャンディス・バーゲン、ダイアン・キートンらに断られた後、やはりエージェントのフリングスの顧客であるオードリー・ヘプバーンに決まった 。ヘプバーンは最初この役に乗り気でなかった 。テレンス・ヤングが言うには「オードリーはノーと強い調子で言った。もう映画に出る気はないと。僕は2週間かけて、また映画に出るかもしれない、というところまで彼女を説得した。次は彼女に脚本を読んでもらうことだった。次にこれが良い脚本だと力説した。そうしておいてまた仕事を始めても次男ルカの生活を破壊することにはならないと説きつけた」と語っている。ヘプバーンは撮影スケジュールを見せてもらい、大部分を当時住んでいたローマで撮影すればよく、いざという時に息子たちの元に駆けつけられることを確認してから引き受けた。
原作者のシドニィ・シェルダンはエージェントのカート・フリングスが電話をかけてきてヘプバーンがこの役を引き受けそうだと聞くと、「ものすごく興奮した」という 。「オードリーは自分があの役をやることをあなたがどう思うか知りたがっている。彼女は年を取りすぎているんじゃないかと心配しているんですよ」と聞くと、「あなたなら完璧だ、と彼女に伝えてください。必要ならペーパーバックの方の年齢を書き換える」と言って、原作のエリザベスは23歳だったが35歳に書き換えた。
この笑顔は、「ローマの休日」の頃のままですね。二度目の結婚の10年目、やはり夫の浮気に悩み、気晴らしも兼ねて引き受けたのかも。


このウールのスーツのスカートの裾が、非対称になっているのがおしゃれです。

この空色のワンピースは、映画内でのオードリーの結婚式の装い。左のワインカラーの服の女性が、ロミー・シュナイダーです。彼女とオードリーが共演していたなんて、全く知りませんでした。ロミーはなんと46歳の若さで命を落としました。「ルードウィヒ2世」の映画ではすごく落ち着いた美人だったのに。



帽子についているベールが意外と長い

これが別荘。





ただのスリップドレスではなくて、上にはレース、脇には別布でレースを見せているのがジバンシーらしくて凝っています。珍しくこのドレスには、7cmくらいのハイヒールと合わせています。それまでは4cmくらいの低い靴だったのに。


このスリップドレスの上に、フリルのついた襟のベルベットの上着を着ています。

モノクロ写真の方が、デザインがわかるかも。レースだけの帽子なんですね。


パリに着いた時、エリザベスは赤いパンツに薄いグレーのジャケットにアイボリーのトレンチコートの服装でした。画面がボケていて、スクリーンショットが撮れませんでした。ジョルジュ・サンクのホテルのベッドにいるエリザベス。リースは仕事で彼女を置き去りにして出かけてしまって、寂しそうな顔。実生活でも、二度の結婚相手は何度も浮気をしたので、演技というより実体験からの表情のような気がしました。


このドレスはパリのレストラン、マキシムのシーンで着ています。「シャレード」の二番煎じのような映画でパリ、チューリヒ、サルディニア島が出てきます。1番最初のシーンが被害者が殺されたシーンというのも同じです。


後ろのデザインは動画から撮りました。

このドレスを着て走っているシーン、セクシーですね。

お揃いのコートも素敵。


このドレス、背中がバストのように膨らんでいて謎です。と思ったら、右手の肘でした。シースルーのレースの下が、ゴールドのサテン布地になっていて、ヌーディに見えますね。

ネグリジェもセクシー


テーラーカラーの襟を立てて着ているシーンが多いですね。寒かったのかしら。




