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「西南シルクロードは密林に消える」

高橋秀行著 講談社文庫 2003

 

カチン族、ナガ族、その他、ビルマとインドの間の密林地帯の、日本人に似た顔の人々と、とんでもない冒険の旅を挙行した高橋さん。中国語と英語のほか、カチン語も理解する高橋さんの、絶妙なセンスには驚かされます。ハイライトは、カチン国境で中国公安に捕まったときの取り調べの様子。カチン州ミッチーナって、戦中もそのあたりに行っていましたよね。怖いのだけれど、だんだんギャグになって来るところが高橋さんの真骨頂。カチン人の将校の、一休さんのとんちを上回る言い訳には、思わず爆笑してしまいました。

カチン人は、納豆族でもあるのですが、山の民って、やっぱり日本人と似た部分があると感じます。タイムスリップして、何世紀も前の時代の話を読んでいる気にもなります。

そして、19世紀からあまり変わらない生活をする人々。またこんな奥地まで、中国杭州から出稼ぎにやってきた中国の医師など、モザイクのような、いろんな人々との邂逅。最後はカルカッタに見事?密入国して、日本領事に直談判。インド警察もかなり有能で、もう実刑間違いなしか、と観念したものの、日本領事と自首したせいでしょう、なぜか無罪放免、翌日には日本に飛行機で帰国してしまったという運の良さ。身元確認のため、外務省にも連絡したようですが、講談社のカメラマン、森清氏は、どうやって無事に帰国できたのがは省略されているのが残念です。

泥水が飲める、何でも食べられる、現地の言葉は片言でも理解できる、インシャラーというのか、流れに任せる、とてつもなく未踏の地に興味がある、でなければ、難しいことですね。

たった一人で、アジアを密命を帯びて?踏襲した話は、戦前のケースで3、4のケースを読みましたが、戦後で、しかもエンターテイナーとして?このような旅をやってのけたのは、本当に少数でしょうね。宣教師でもなく、僧侶でもなく、中野学校卒の将校でもなく。

写真のカチン人の女性が美人ですね。

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