好きなもの、心惹かれるもの

読書感想、音楽、陶器、織物、雑感などを書いています。

自分を赦すということ

娘の幼児から振袖までの写真を整理して、新居に送りました。七五三の記念写真、30年も前の若かった自分の初々しい若妻ぶりの着物姿、両脇から私に寄り添う小さい息子と娘、自分の誕生から現在までの写真を一通り見て整理して、処分していたら、涙が2日ほど流れて止まりませんでした。

息子だけを欲しいと言った元夫、元夫がいない時に、息子に「お母さんについてくる?お父さんについて行く?」と聞いたら小5の息子は即答で、「お母さんについて行く」と言ったことは忘れられません。それを思い出すだけで涙が出ました。自分がどれだけ、子供達を愛していたか。また子供達にも愛されていたか。娘は小2で、何もわかっていなかったと思います。

私が豪州の大学に行きながらも、息子は2学年先の公文の数学を現地で習いに行き、娘は絵とバイオリンを習っていました。ロシア人のオーケストラのコンサートマスターにバイオリンを習うという幸運にも恵まれて、シドニー音楽院のテストを受けてAをもらったのも良い思い出です。息子は11歳から18歳の移民の生徒が能力別で習う学校へ行き、そこから現地の中学に転校しました。子供達2人が第一バイオリン、第二バイオリン、私がピアノで伴奏をして、現地の小学校でもすぐ馴染めたようです。教会が文化のベースにあるので、クラシック音楽やスポーツができれば、言語がイマイチでも、それなりに一目置かれたのでしょう。

息子が大学に慣れた頃、娘をフランスの高校に留学させることを決め、すぐにアリアンス・フランセーズに入学。大学生に混じって1から勉強しました。数が覚えられないし、数のスペルが書けないから、小切手張にはしっかり1から100までの数字をフランス語で書いたアンチョコを貼っていました。

パリの思い出は、自分の試験がないという嬉しい環境の中も、中央警察に毎年滞在許可証の手続に緊張して出向いたり、イラン人の大家にお金を騙し取られたことを税務署で指摘されて、「もっと早く言ってくれたら取り返してあげたのに。」と言われたこともありました。それ以外は、博物館巡りや、毎週2回の近所の道路に広がるマルシェの美味しい野菜や果物に舌鼓を打ち、カリカリのバゲットやあんぱんサイズの大きなマカロンを娘と食べ比べたり、たまに高級ショコラティエのケーキを買って、人生で最も自由で楽しい期間でした。ジャン・ポール・エヴァンが私は好きでした。

パリからベルギーやスイスなどの国際線の電車は遅れないのですが、国内の電車が途中で2時間も止まって動かないとか、切符が5号車なのに5号車自体が存在しないとか、日本では考えられないようなことはあれこれありました。もちろんスリは日常的にメトロにいました。

娘には、私の豪州大学よりレベルが上の英国大学を目指して欲しいと思い、その通りに卒業できたことは、片親としての責任を果たせた思いでした。37歳の私より、8歳で渡豪した娘の方が、英語ができて当然だと思っていました。3歳からバイオリン、漢字、英単語を教えていたので、ここで蒔いた種が実をつけたような。娘が結果を残したので、私も帰国後にフランス語準2級を取りました。

ここまで生きてきたんだなあという感慨とか、折角国際バカロレア試験に合格し、英国大学にも3校合格したのに、国内の大学へ行くという娘と大バトルをしたことやら、無事に英国大卒業後も、今度はとある職業につきたいと、対立したことやら。自分の更年期と母の10年介護も重なり、本当に過去10年は自分にとって、過酷な日々でした。

やっと悲しみ?を感じ切って、味わい切って、もう涙出ないよねーと思っていたさっき、このNaokiさんの記事を読んだら、また涙が溢れてきました。そうです、この記事の中の女性のように、私も思考重視型で、ハートを感じられないタイプ、と言われたことがあるのです。長年自分一人で子育てを頑張ると決めて、そうしてきたから、感情には蓋をして、見ないようにしてきたのが溜まって、それが純粋無垢で、全面的に私を信頼して寄り添っている子供達と、慈しみの表情をしていた若い自分の写真を見たら、蓋が外れて、涙が止まらなくなったのでした。

ここに流していた音楽も関係があると思います。8日は、「嘆」を聞いていて、5回は泣きました。今日の涙はバッハの"O Mensch, bewein dein Sunde gross, BWV 622"を聞いていて2回流れたものです。

でも節目の今、過去の悲しみとか辛さを感じ切って、涙を通して体外に流せたことは、デトックスとしてとても良かったと思っています。そうして、新しい、自分の余生をまた始めたいと思います。

 

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