父のパスポートに押されたビザの数々。父は30代から南米へ出張へ行っていた。沖縄へ入るのに、身分証明書が必要なくらいだから、日本人の海外渡航は制限されていたと思うし、所持するお金の金額も制限されていた。今では、父が海外出張していた年齢を私は通り過ぎてしまった。ただ思い返すと、私が豪州へ子連れ留学したのは30代で、父が出張に行き始めた年齢とほぼ同じ。父が中東に赴任したのは50代で、私が娘のフランス留学について行ったのも50代。カエルの子はカエルというのか、父からは何も海外のことを語られたこともないのに、なぜか似たようなことをしていたことに気がつきました。
パスポートは10冊くらいあったけれど、ビザのスタンプが多い数冊の写真を撮って順不同に並べみました。30代の頃のパスポートはもう見つからなかった。手垢だらけのスペイン語の辞書も、まだ捨てる気になれない。
。














