巨力は沈驚鴻の詩集を道端で販売してお金を稼いでいた。
科挙まであと3日。灼華は家で猛勉強に励んでいた。巨力は彼女を浮雲寺へ連れて行く。
*
長い髪が彼女の顔に影を落とす 梨の花の上に月が輝く
愛する人を想って悲しむ 君はいつ帰るのか
灼華「沈驚鴻がこんな艶っぽい詩を書くとは信じられないわ。それでも人々は彼を沈公子と崇めている。不名誉なことだわ。」
巨力「小姐、貴女は熱意を持って彼の詩を読んだのですね。」
灼華「だって私は他の人のようにおとなしい女性ではないから。貴女が何度も沈の詩が好きだと言うから読んでみたの。」
巨力「彼は今や私たちの収入の人ですからね。だから自然と彼を慕います。父母のいない今、誰が衣食を与えてくれるでしょう。」
灼華「どうして貴女は早朝私を浮雲寺に連れてきたの?」
巨力「ご利益があると評判なんです。今日は仏の誕生日です。ほとんどの弟子が、線香をあげにきて、試験の成功を祈りに来るのです。」
灼華「誰もが菩薩の恵みを探しにくるのね、でも資格の場所は限られているわ。誰に菩薩は祝福を与えるでしょうか。貴女は菩薩に辛苦を与えられましたよね。」
巨力「もちろん最も誠実な信者に、菩薩は祝福を与えるでしょう。そういえば、菩薩の前で祈る時、小姐は言葉に気をつけなければなりません。」
灼華「名声は無形で雲のようなものだと人々は知っている。多いことは更に良い。何のために祈るの?なんというユニークな発想でしょう。」
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巨力「小姐、跪いてください、そうすれば菩薩が貴女をよく見ることができます。菩薩様、試験でトップになれるように、小姐を祝福して下さい。もしそうでなければ二位でも良いです。そして健康で、安全で、長寿で、毎日幸せに暮らせますように。」
灼華「十銭しか払っていないのに願いすぎよ。欲が深いわ。」
巨力「慈悲深い菩薩様、私はあまりお金を持っていません。菩薩様が小姐を守ってくださる限り、私は何でもします。小姐、貴女は何を願ったのですか。」
灼華「ここに来た人々は菩薩からの祝福を願っています。だから菩薩は全ての人に応えなければなりません。私は毎日幸せでいられるように願いました。」
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巨力「小姐、路夫人が、今日浮雲亭で、詩会が開かれることを教えてくれました。沈驚鴻の素晴らしい詩が聞けるかもしれない。だから連れてきたのです。全ての詩を覚えて、また出版して売りましょう。」

その時、灼華は劉衍らしき人と執剣、執墨の後ろ姿を見て、
「巨力、その仕事は貴女に任せます。お腹が痛くなりました。」と言って慌てて後を追った。定王を探していて振り返ったら、定王が立っていた。
灼華「参見、定王殿下」
定王「なんでここにいるのか?」
灼華「王爺は黒い山に来ると後ろ姿で私に暗示をくれました。私は間違っていますか?」
定王「お前の説明は説得力がない。」
灼華「黒い山以外は混んでいるので定王は人がいるところでは、私と会いたくないと思ったので、自分の幸運を試してみました。私の運気は本当に良かったとは思いませんでした。」
定王「運を信じるのか?菩薩の前で見かけなかったが?」
灼華「私は幸せな人生を彼女に望みます。私は菩薩を最も好意的に扱う人ではないでしょうか。」
定王「なぜ他の人のように菩薩から恵みを求めないのか?」
灼華「私は菩薩からよりも、むしろ貴方からの恵みを探しています。試験官が私の目の前にいます。私はこのチャンスを逃すべきではないでしょう。」
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沈驚鴻が来て、公主を探している。
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二人は少し歩いて、定王は石の椅子に座る。
灼華「王爺、なぜ私に会いたいと思ったのですか?」
定王「どこで還陽散を知ったのか?」
灼華「母が私が幼少の頃教えたのです。処方に至仙果という希少で高価な薬材が使われているので、太医院でその使用記録を調べて下さい。完璧な処方は知りませんでした。」
定王「名医に聞いたが、誰も知らなかった。なぜ太医局由来だと確信があるのか?」
灼華「原料は希少で高価なので太医局以外は購入できない。王族しか手に入れられないはずです。」
定王「なぜお前はその香りが、雲月の死体検視でわかったのか?」
灼華「仙果は、男性を元気にする効力があるため、父が買って、有名医師に使わせたことがあったからです。私は家の薬部屋で見ました。」
定王「お前の豊かな家にはエキゾチックな宝が沢山あるようだな。」
灼華「王爺、仙果の成分と消費を調べてください。」
定王「成分は調べてみるが、お前はまだ疑わしい。」
(怪しい黒装束の男たちが、定王の後ろの林を通り過ぎた。起こるべくして起こる。
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沈驚鴻は琴をお寺の庭で弾く。それを大皇子が聞いていて、「のんびりして無限の曲だね。続けてください。リラックスしてください。本宮はただ聞きに来ただけだ」
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灼華「もし還陽散が唯一の処方なら、なぜ貴重な成分を貴方に明かして、墓穴を掘る必要がありますか?」
定王「お前と母だけが知っている。お前の母が創り出したのではないか?」
灼華「私の背景を調べたのですね。母は悪評のある青楼に売られました。若い頃母の家が没落したからです。母は両親の名前も覚えていない。母は自分の名前を自分でつけ、あとで父が母に名前をつけたのです。顧一笑。」
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回想シーン
「お母さんはどこから来たの?」
「お母さんは、窓の外の知らない木から落ちた花びらのようなものです。私はどこから自分が来たのか知らないのです。」
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定王「ではお前が定京にきたわけは、会試(科挙)を受けるためだけではないな。」
灼華「貴方は全てを知っているようですね。なぜ私に聞くのですか?」
定王「それはお前の個人事だ。無理には聞かない。しかし、本王が何を知りたいのかお前は知っているべきだ。」
灼華「母は私が幼少の頃から、読み書きと医学技能を教えました。立身についても。でも私は母がどうやって、その知識を得たのか、手がかりがない。彼女がどこから来たのか私には謎のままです。もし定王がその答えを得られるなら、小人は感激します。」
定王「わかった。」
灼華「ではもう信頼していただけましたか?」
定王「本王は信頼していない。しかし、子供の親に対する誠実な愛は理解した。」

*
詩会が始まって、文士宋の詩を大皇子が聞いている。
「良いが、躊躇する男は、何か大きなことを成し遂げることはできないだろう。沈公子は定京で才能があると聞いている。新しい詩を披露してくれないか。」
「文兄、大皇子は、今日沈にもっと注目を集めるために来たのではないか。怒る必要はない。ほら、飲んでください。」
「彼は今年将来トップの地位につくだろう。」
私の志は一度も揺らぐことはなかった
功績があっても
一千年の歴史が流れ忘れ去られた
国家が平和に包まれるとき、
私は身を引くだろう
この時代のあらゆる名前に勝利する
大皇子にっこりして満足げな顔をする。
枯れ草と凍った砂の上に
将軍は戦争で(流血に溺れる)血を流す
戦争の喧騒から離れて陽山はそびえている
クローバーに覆われた草原の上に穏やかな月が昇る
夢の中で酒を飲み、どこにいるのかわからない
夕焼けは短く、雛鳥が鳴く
春風細い雨が川に降る
赤い楓の葉が高く積もる中、私は友人達を見送る
低い雲が日没を促す
強い風が旗を巻き上げる
白鳥雁の鳴き声が境界停止地点に響く
私は南庭のお茶を味わう
琥珀色の空を囲む穏やかな煙
駐屯地は辺境を守る
地平線の果て
穏やかで調和が取れている
孤独な雲が遠くから月を驚かせる
昔の英雄は今は白髪まじりになっている
巨力が執墨を手招きする。
執剣が、「まだ定王は慕姑娘に会いたいと思っている。つまり彼女達はまだ必要だから、行って聞いてこい」と言う。
巨力は執墨に「今の沈驚鴻の詩を覚えていますか?詩を書き留めてください。私は必要なんです」
執墨「字が下手だ。」
巨力「問題ない。内容が分かれば良い。」と説得する。書き終えた詩を見て、執剣はあまりの汚さに目を覆う。
「もう一首お願いします。」と聴衆に催促される沈。
三千人の鉄兜を着た騎士たち
百万人の旗を持った兵士たち
頑丈な兵士たちが太鼓の音で出陣を準備している
堂々たる勇姿
輝かしい戦略で戦う
義理堅い忠義者達は高く立つ
彼らはもう若くはないけれど
戦火は城と壁に飛び廃墟にする
燃える炎が真夜中に戦火に焼かれた甲冑に映る
白骨が帰り道の黄砂の下に眠る
終戦の鐘と寺の太鼓の音が勝利を告げる
執墨「間違って書いたかな。」
執剣「いやいい、ただお前の字は汚くて読みづらい。」
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沈驚鴻は帰る。
大皇子「”私は義理堅い忠義者たちは高く立つ”が気に入った。”彼らはもう若くはないけれど”本宮は正しい人を選んだ。」
沈「大皇子にご覧にいれるには、それは無謀で貧しい詩でした。」
大皇子「本宮は無謀が好きだ。か弱くて気取った愚痴よりも。」
沈「詩を読むのは楽しませるための小手先の技術にすぎません。」
大皇子「そうだな。沈驚鴻公子は大志があり愛国だ。貴方は将来国の柱になるだろう。(原文朝堂の棟梁になるだろう。)会試はすぐだ。本宮は結果を楽しみにしている。」
沈「感謝します、大殿下」
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灼華は「大皇子も今日来ていたんですね。国境地帯の詩が好きだそうですね。武道が好きで精悍です。だから貴方と親しい。誰もが貴方が三皇子をみな可愛がっていると知っています。沈驚鴻の名声は最近目覚ましいですね。」
定王「なぜ突然沈驚鴻の話が出るのか?」
灼華「沈驚鴻は定京で名前をあげて、学者たちを悔しがらせたが、まだサークルの中で尊重されていない。もし大皇子が沈驚鴻の能力を発展させるために助けるなら、それが1番良いでしょう。」
定王「どんな方法で?」
灼華「彼の文才は定京に鳴り響いてるが、高尚な評判はまだ少ない。彼の詩は、劇場の中でだけ出回っている。でも今日彼は国境地帯の大志の詩を披露して、聴衆に熱情と称賛を得た。」
定王「それは本王と何の関係があるのか?」
灼華「王爺、大皇子は沈驚鴻を大切にしています。定王は、小人に優しくすることは可能ですか?」と尋ねる。
定王「誰の人ですか?」
灼華「私はいつも貴方の側にいます。」
定王「ではお前は私に何を求めているのか?」
灼華「王爺、最近物価が高くて、特に墨紙硯が買えません。小人は慕家出身ですが、望まれていない庶子の娘です。定京に出てくる時あまりお金を持ってきませんでした。私は今日貴方を少し助けました。本当のことを言うと、小秦宮の遊女でも、私の治療に2銀貨払ってくれました。」
定王「文錚楼で私はお前の隣の部屋にいた。お前はなんと言ったか覚えているか?」
灼華「全部聞いていたのですか?貴方への賞賛を言いました。すでに聞いたのなら、なぜまた私に聞くのですか?恥ずかしいです。」
定王「本当に真心の心情を吐露したか?」
灼華「もちろんです。貴方への崇拝と忠誠心は本物です。世界中がその証人になります。」
定王「お前は本王が無謀で不相応な信用を取ったから崇拝と賞賛するのか?」
灼華「貴方は自分を使って、敵を釣り上げる計画だったのだと思います。名士は無防備な場所に身を晒すべきではない。私は貴方を心配しています。」
定王はニヤリとして灼華に、500タール入り財布を投げて渡す。
「ありがとうございます、王爺」灼華は喜び、感謝する。


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巨力は執墨から詩を受け取り、礼を言おうとして勢い余って彼の腕を脱臼させてしまう。
執剣に、定王は、
「不思議なことに、灼華はここへ来た。まだ彼女は疑わしいので、もう1度彼女をテストする。今晩彼女を連れてこい。我々は一緒に天同山へ行く。」
「定王は彼女は黒幕のために何かをすると思っているのですか?」
「本王は、彼女が自分が疑っている人物と同じかどうかを調べたい。」
「わかりました。彼女を罠にかけるのですね。一石二鳥ですね。」
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沈驚鴻は柔嘉公主に面会する。公主は彼の活躍を聞き、大皇子劉琛に認められたことを喜ぶ。そして、科挙に励み、役に立つ人材になるよう励ました。
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500タールを持って帰ってきた灼華を見て、巨力は驚愕する。
灼華「定王は殺人的ではないわ。虎の尻尾を撫でただけ。」
定王はまだ彼女を完全に信用しておらず、還陽散の知識が利用価値があると見ているだけだと推測する。灼華は定王の信頼を得ることが重要だと考える。定王は至仙果、母の素性、袁副将の遺体の三つの手がかりを追っているはずだと考える。
灼華は母方の祖父が太医院に勤めていたことを巨力に話し、還陽散との関連を疑う。
盗み聞きされてるかもしれないから家でも注意しなければ。
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扉を叩く音が響く。巨力が開けると、執剣が立っていた。執剣は灼華に馬に乗るよう促すが、彼女は馬に乗れない。
定王「死体検視をしてほしいのだ。報酬は二倍払う。」
定王は執墨に鍼の箱を持たせ、灼華を自分の馬に乗せて疾走する。
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5年前の裏切り者と言われている袁成明の遺体を検視する灼華。灼華が頭骸骨から二つの針穴を発見し、凶器が暴雨梨花針であると推理する。
感想
文武両道、武芸と文学や哲学、詩が詠めないといけなかったんですね。詩は韻も踏まないといけないのでは。xiangとか最後の文字の発音が同じものを揃えるとか、何か規則があったような気がします。