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「日本語の起源」「日本語の源流を求めて」

大野 晋著 岩波新書

 

日本語が縄文末期に入ってきたインドのタミル語(ドラヴィダ語)と共通点が多いという話。地名に残る日本語だけでなくて、甕棺が南インドからアジアを通って、九州に残っているという指摘も面白かった。

日本昔話とそっくりの話がインド昔話にもあるのは知っていましたが、風俗も、稲作、鉄、機織り、結婚方式、五七五の韻を踏むことなども共通点があることには驚かされます。約二千年前のタミルの「サンガム」という歌集の中に、五七五七五七の長歌、五七五七七の短歌形式が何百とあるそうな。「サンガム」2391首の歌の8割が恋愛歌だそうで、万葉集のルーツなのではないかと書かれています。

古代日本の結婚方式は、妻問婚で、名前を聞くことがすなわちプロポーズであり、結婚を決めて男性が女性の家に三日続けて通ってきたら、三日目に餅を出して祝うとか、母の遺産は娘のみに残されることが、現代のスリランカのタミル人の文化にも残っているのだとか。小豆入りのお粥を小正月のお祝いに1月15日に食べる風習が、現代のスリランカにも残っているとか。とても興味深いです。