川崎真治著
この著者のことは、初めて知りました。平成3年に出版された本です。日本語には、ヘブライ語、ペルシャ語、ヒンデュー語、ロシア語、いろんな言語が入っているとは読んでいましたが、ルーツは古代エジプト語、ウル・シュメール語、インド・ドラヴィダ語からという興味深い本です。
日本の古い神社には、ヒエログラフが刻まれた石があることは知っていました。それがアヒル文字に繋がっているようです。
p254
阿蘇辺族が、世界的ギルガメシュ王族の一支族だったことを述べよう。
阿蘇辺族の太祖の名はウソリだったという。ウソリは獅子、ウグ・リーからの転訛であった。紀元前15世紀頃、北シリアにウガリート国があった。今はラース・シャムラというが、古代名はウガリートで、獅子から生まれたもの。ギルガメシュ王族の典型的とも言える名であった。英雄王ギルガメシュがいた、バビロニア語でウルク市、ギリシャ語ではエルク市、から西へ転出した一支族がウガリート国を建国したのだが、その時から7百年ほど経った頃、南ロシアの黒海付近カスピ海周辺に、スキタイまたはサルマタイというギルガメシュ王族を名乗る騎馬遊牧民が出現した。スキ、サルマは獅子を意味する。そしてソウゾンと転訛して、北海道、津軽、秋田、出羽に伝播した。相染、宗善、蒼前などがあり、吉田東吾の「大日本地名辞書」には、奥羽の馬畜の神と定義されている。しかしそのソウゼンは、騎馬民族の言葉でのギルガメシュ王、獅子を制し、家畜を守あの英雄神だったのだ。
獅子は、イラク北方のクル・ド族、カスピ海のグル・ジャ族、バルハシ湖周辺にいたチュルク族の主体をなし、古代では契丹の耶律部、扶余系の高句麗族、その子孫の渤海人の貴族などになっていた。ギリヤーク人も同じく獅子部であり、樺太から北海道、東北に渡ってきたのがウソリを太祖にもつ阿蘇部族だった。ウソリに転じる前のウスリーが、ウラジオストック市の北にあるウスリースク市、ウスリー川のウスリーである。
要約すれば、アラ・ハバ・キ・カムイ、荒吐神とは、
父 鬼神(獅子神)ギルガメシュ王
母 地母神(蛇女神)七枝樹二神の女神
の間に生まれた子神である。