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仏像そっくりさん4

古代、銅鏡は国同士の連合のためなどに与えられたけれど、それが仏像に変わっていったということなのではないでしょうか。聖徳太子の時代も、新羅から仏像が贈られたなど記録があります。奈良にある仏像と似た仏像が、青森から四国まで散らばっていることは、とても面白いですね。地方を治めるため赴任する際に、奈良の権力者から渡されたとかでしょうか。

 

東京三宅島 海蔵寺 観音菩薩立像

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奈良国立博物館 観音菩薩立像

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大きな坐化仏(ざけぶつ)を頭飾の正面につけ、おだやかな微笑を浮かべた観音菩薩像で、すらりと伸びた肢体が独特の魅力を放つ。臘型(ろうがた)の一鋳で制作されており、蓮肉部まで中空で、体部はムクとしている。右手を腹にあてて瓔珞(ようらく)をはさむが、同様の手の表現は法隆寺献納宝物182号(東京国立博物館)、東京・海蔵寺、高知・金剛頂寺などの観音菩薩像にもみられる(このうち金剛頂寺像は瓔珞に手を添えない)。これら諸作例は様式的にも本像に近く、特定の由緒ある像の姿を範として、複数の像が制作されていた可能性を示す。

 

法隆寺献納四十八体仏182号観音菩薩

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