このシリーズは大体1980年に出版されています。デュラックのアラビアンナイトは3冊あるようなのですが、私が購入したのは2冊です。今までの絵本の中で、最も面白く再読できました。wikiにかなり詳しく、内容について説明されていました。
これは額に入れたい素敵な色彩の絵です。
盗賊たちも何かユーモラス。
なんとも可愛いアリババ。
賢い女奴隷のモルギアナ。もともとは、金持ちの女性と結婚していた兄カシムの家の奴隷でした。欲張りの兄が、盗賊たちに洞窟で見つかって殺されて、モルギアナはアリババの家で仕えるようになっていたんですね。
しかしですよ、37人の手下どもに、煮えたぎった油をにっこりしながら注ぐ設定も如何なものか。匂いでバレちゃうと思いませんか?隣の盗賊に。盗賊たちを退治したお礼に、アリババは彼女を奴隷の身分から解放します。
商人が盗賊の頭だと見破り、エロティックな舞踊で魅了して、チップをタンバリンの中にもらおうと差し出して、財布を探している盗賊頭領の心臓を、持っていた短剣でグサリと一突きで仕留めるには、奴隷になる前に、どんな修行をしていたんでしょうか?武道の嗜みがある家で育ったんでしょうねぇ。
商人に化けて、部下達の仇討ちにやってきた盗賊頭を殺して、アリババ一家の命を再度救ったお礼に、アリババの息子と結婚するように頼まれたモルギアナ。アリババは足るを知る人なので、一家は洞窟内の宝物を独り占めできてしまって、末長く幸せに暮らした、というハッピーエンドのお話。デュラックは、モロッコやトルコ、インドあたりにでも、取材に行って、絵をスケッチしてきたのでしょうか。