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寺西俊輔

着物と宝石には、亡くなった方の邪気が残っているとは、何度か聞いたことがあります。知っている方からもらったものは問題ないでしょうけれど、感じる方だと病気で苦しんで亡くなったとか、病名までわかるのだとか。なので、どんなに素敵でも、中古の着物を買って着るとかリメイクするのは、私は躊躇われます。

産みの母親よりも愛情をもって育ててくれた伯母の着物は、晩年に10枚ほどもらって、長襦袢からペチコートを作ったり、帯からリュック、塩瀬の黒地帯からテーラーカラーの上着、訪問着からワンピース、大島紬からブラウス、羽織からブラウス、無地の紬からコートを仕立ててもらいました。見るたびに、想いをはせています。

以前黒の男性用紬の反物を私は購入して、喪服の半袖ワンピース、スカート、パンツを作ってもらっています。男性用の反物の方が、女性用よりも横幅が広いので、わざと男性用を買ったのです。デパートの喪服コーナーでは10万円近くで売られていましたが、重い化繊の布地より、軽い布地が良かったので。着物の喪服は、縮緬なので、非常に重いです。縮緬の喪の着物を解いて、ワンピースに伯母が仕立ててくれたものもありましたが、手洗いすると縮緬は縮んでしまうので、何度か着て手放しました。紬は手洗いでも縮みません。フラットで軽いです。

今回の葬儀では、35度超えだったので、紬の喪服でなく、麻80%のニットスーツを着ました。やはり麻は涼しかったです。ポリエステルも入っているので、ひどい皺にもなりません。

寺西さんの場合は、あくまで新品の伝統工芸の反物を使って、洋服に仕立てて、日本から世界へファッション発信したいというコンセプトが素晴らしいですね。手仕事で、大量生産ができないから、職人さんが作る反物を大事に、それを生かして洋服に使うところが。

七五三と振袖、結婚式の羽織袴、弓道、歌舞伎などの一部の需要以外の、普通の生活では、着物は廃れていくばかり。唯一浴衣だけは、比較的安いし、家で洗えるので、残ると思いますが。

寺西さんの表参道のお店では、白、紺、黒しか扱っていないように見えました。これ、オーダーで、同じデザインで色が空色とか紫とかもう少し選べたら、女性の需要もありそう。コートが多い印象ですね。コートならそのベーシックな色で問題ないですが、ワンピースならもう少し色を選びたいかな。でもスタイリッシュに見せたいので、この3色に絞ったのでしょうね。

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