好きなもの、心惹かれるもの

本、音楽、陶器、織物、手芸品をご紹介します。

ブータンの民俗

ブータンの家の外壁に、男根を大きく描いている習俗は、ネットで見たことがあって知っていました。今回やはり多産と魔除けの二つの意味が込められていることを、下記のブログから知りました。このブログ主様のレストラン内の、木製の男根は、日本の神社にあるものとよく似ていますね。

チベット人と日本人は、DNAが近いと読んだことがあり、ブータン人も近いのではないかと想像しています。なんと言っても顔がよく似ています。その上、この子宝信仰の表現まで似ているのですね。

 

hashim.travel.coocan.jp

 

hashim.travel.coocan.jp

 

2011年という古い記事ではありますが、AFPでも取材していました。2mもある絵だからとても目立ちますね。

www.afpbb.com

米国で見つかった日本の軍事機密「地図」

ナショナルジオグラフィック日本版サイトに、大変興味深い記事がありました。

 

f:id:MeinFavorit:20200913085527p:plainロシアの地図を基にしたウラジオストクの地図。その証拠に、いくつかの地名がキリル文字で記されている。(Photograph from Stanford University)

 

「地図の様式もバラエティに富んでいる。第二次大戦後に米国陸軍地図局で研究主任を務めたウィリアム・E・デービス氏もそれに気づいた。「戦時中、米国や英国は、地図の様式やデザインを標準化しようとしていた」と、デービス氏は1948年に記している。「しかし日本は正反対で、地図は個々の状況に合わせてデザインされていたため、色も記号も形式もざまざまだった」(参考記事:「戦争から参政権まで「訴える地図」9選」

 外邦図が作られた地域は、北はアラスカやシベリア、西はインドやマダガスカル、そして南はオーストラリアまで広がっている。いったいどれくらいの地図が作られたのかは誰にもわからない。その一番の理由は、軍が秘密裏に地図を作成し、米軍が迫る終戦間近に破壊命令を出していたことだ。」

 

雲南省東京湾があったんですか。明治時代から、ロシア、中国、モンゴル、インド奥地へ過酷な探検をした少数精鋭の人々の話を読みましたが、やはり目的は地図作りだったのかもしれません。

 

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中国、雲南省の南部の地図。牛疫、豚コレラ、家禽コレラ、インフルエンザなど、危険性の高い伝染病について記載されている。(Photograph from Shigeru Kobayashi)

 

natgeo.nikkeibp.co.jp

アマゾンの孤立部族

井口和基氏の以下のブログ記事を読んで、アマゾンに縄文人そっくりの人々が住んでいることを知りました。家がそっくり。おかっぱの女性の体型が、サザビーズで約2億円になった土偶とよく似ていてびっくりしました。

quasimoto3.exblog.jp

quasimoto2.exblog.jp

 

検索したら、ナショナル・ジログラフィック日本版サイトの以下の記事が出てきました。ふんどしを締め、江戸時代のヘアスタイルに似たこの男性。2枚目の写真、木の陰に、顔を赤く塗った人がいますが、日本もこのように顔を赤く塗っていた埴輪を見たことがあります。3枚目の全身刺青の兵士?刺青のも模様は二重丸に見えるような。4年ごとに移動を繰り返すとのこと。ブラジルのジャングル奥地だそうです。マロカと呼ばれる家は長屋タイプで大きいですね。

 

アマゾン西部に位置するブラジルのアクレ州

f:id:MeinFavorit:20200913082603p:plain(Photograph by Ricardo Stuckert)

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(Photograph by Ricardo Stuckert)

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(Photograph by Ricardo Stuckert)

 

他にもブラジル先住民カヤポ族が記事になっています。日本人に似ているそうです。

f:id:MeinFavorit:20200913113523p:plainPhotograph by Martin Schoeller

natgeo.nikkeibp.co.jp

この試みは面白いです。

readyfor.jp

natgeo.nikkeibp.co.jp

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顔だけでなく全身を赤や黒に塗っているアマゾン先住民の写真

natgeo.nikkeibp.co.jp

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ペルーの場合は殺し合いにまで。

natgeo.nikkeibp.co.jp

「隠された神々 古代信仰と陰陽五行」

吉野裕子著 河出文庫 2004

 

扇子の見立ては、落語家もされますね。三角形は女性のデルタ地帯を表す、とは谷戸貞彦氏も書かれていました。これらを頭に入れてから、縄文土器をもう一度見ると、ドーナツはあちこちについています。丸い形はほとんど女性性器を表し、蛇は男性自身を表している。子宝信仰を表現したのが縄文土器だったのですね。餅つきがそういう意味であったとは知りませんでした。渦巻き模様は海を表すのかと思いきや(海の渦巻きから形象は採用しているけれども)、蛇のとぐろ巻きも表し、妊娠祈願のため、と谷戸氏は考えているのですね。

 

谷戸氏と吉野氏は共通する見解を持たれていますので、ここに二冊の似たところを書き出します。

 

「サルタ彦大神と竜」から

 

p52 +の形はXの形と同じく、異性との交合を意味する。

p113 ナイジェリアの伝統衣装の三重丸の柄は、外側は大陰茎を、中丸が小陰唇、内丸の中央が赤ん坊の頭である。三重丸は古代には「出産印」と呼ばれた。

p126、谷戸氏はX印は交合を表し、ドーナツ型はホトを指すと書かれています。臼はホト、杵はオハセを意味し、臼をつくのは交合のこと。

p210 男の種水が奥深く入った時だけ妊娠すると考えた。子宝が欲しい時に、水の渦巻きを見て水が深く吸い込まれる様子に男は憧れた。渦巻きは妊娠を祈願して描かれた。同時に蛇がとぐろを巻いている様子でもある。

 

「隠された神々」から

p12 古代日本人が作り出した文化の型の特徴をあげるとすれば、「見立て」をあげたい。日本舞踊を例にとるならば、一本の舞扇は傘に、酒器に、筆に、短冊に、手鏡にと見立てられ、その扱い方によっては扇はさらに雨、落花、流水をあらわし、また抽象的な事象をさえ表現する。古代日本人は抽象的な考えを何かになぞらえ、それからの連想によって捉えようとした人々だったと思う。「擬き好き」「連想好き」であって、それが日本人の原初的心情なのである。

p14 人の出生の原点は母の胎、つまり穴である。神の来迎が人の生誕に結びつけて考えられていたとすれば、祭りの最初の段階に穴があることは、極めて自然な成り行きであろう。

p15 渓谷、手の股、足の股間はいずれもV字型を連想させる。谷は山と山とがせまりあった窪みを意味し、典型的なV字の象徴である。クラは谷の古語とも言われている。V字型は三角形であり、沖縄では三角形は女陰をあらわすものとされている。

p21 同じ蛇から出発しながら、各民族の宗教・信仰は異なる発展をする。日本古代信仰は蛇の形からは男根を、脱皮するその生態からは出産を連想し、蛇を男女の祖先神に分ったと思われる。(拙著「祭りの原理」蛇参照)

日本の古代信仰における祭りの大きな特色は、神を目にみえる形にして顕現させ、それを鄭重に迎えて饗応し、授福を願って再び常世国に送り出す、ということにつきると思われる。

第一型 男女の祖先神としての蛇を、何らかの方法でそのまま顕現させる型

第二型 男祖先神としての蛇と、巫女の交合により、巫女が神を妊り、最終的には巫女が自ら神として、み生れして世に臨む型

第一型が蛇型と刷れば、第二型は巫女型といえよう。巫女型における蛇は、聖域における神木だと私は思う。

藁の道祖神

やはり複雑で凝った縄文土器が盛んであった地方は、藁の子孫繁栄人形のお祭りも盛んに行われたようです。秋田の3〜4mある、藁でできた道祖神も興味深いです。なぜ秋田の人形には、ツノがあるのでしょうか?私の知らなかった日本がここにある、という感じです。

猿田彦、柿本佐留、秀吉」の記事にも書きましたが、サルタ彦の藁人形もありました。

 

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www.akitabi.com

 

「サルタ彦大神と竜ー古代の子宝信仰」谷戸貞彦著より

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秋田県仙北市西木桧木内

dosojin.jp

 

秋田県 鹿島様という藁人形を初めて見ました。ベルトに蛇がついています。頭に蛇の鉢巻をつけている鹿島様の写真も載っています。

tenki.jp

 

岩手県遠野市 

note.com

 

岩手県和賀郡白木野

magazineworld.jp

 

写真は見られませんが、どれだけ多くの神社が同様の祭りをしているか表があります。

岩手県内の金勢信仰

https://msystm.co.jp/blog/20161022.html

 

掲載しちゃっていいのかなと思いましたが。初めて見たので度肝を抜かれた Pintestに出てきた写真。やっぱり魔除けなんでしょうね。どこの地方かわからないのですが、女性の象徴として輪くぐりの輪も藁で作ったものもネットで見ました。男女セットのもので、リアルでした。神社の輪くぐりって、輪の中から産まれてくるのを再体験する行事なのでしょうか。

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わかりやすい説明をされているページ

dosojin.jp

藁蛇

藁蛇の写真を探しました。存在は知っていましたが、これもまじまじと見たことがありませんでした。出るわ、出るわ、とこれまた検索で写真がたくさん出て来ます。縄文土器は、縄文字を使い、縄で模様をつけたということですが、縄文土器の縄の跡も蛇を表していたのでしょうね。藁蛇の分布は、蛇飾りのある縄文土器の分布と重なるのでしょうか。これら全てが、子孫繁栄を願う、縄文時代からの伝統なのではないでしょうか。

 

www.youtube.com

 

千葉県船橋市 八坂神社

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www.city.funabashi.lg.jp

dot.asahi.com

 

神奈川県横浜市新羽 杉山神社

4travel.jp

www.miuken.net

 

神奈川県川崎市宮前区 白旗八幡大神  

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埼玉県久喜市 大輪神社

蛇にお耳があるのが謎ですが。

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www.city.kuki.lg.jp

 

埼玉県川口市

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http://www.kawaguchi-bunkazai.jp/center/bunkazai/CulturalProps/bunkazai_057.html

www.ukima.info

 

滋賀県大津市三井寺町 長等神社

www.asahi.com

 

京都山科

藁蛇の目が、みかんなのが微笑ましい。

note.com

 

島根県大元神楽の中に、藁蛇が出て来ます。白装束の神職の方々が、藁蛇を持って登場。どのような神楽なのかは、動画がないのでわかりません。写真が以下に載っています。

www.omoto-kagura.com

 

クリックすると写真が大きくなります。ブログ内に県名を書かれていないのですが、

島根県松江市 神魂(かもす)神社

島根県松江市 真名井神社

島根県松江市 八重垣神社

hottalab.blog103.fc2.com

 

上のフィールドワーク様で、八重垣神社が出てきたので検索してみたら、サルタヒコを思わせる夫婦椿が出てきました。「サルタ彦大神と竜」谷戸貞彦著によりますと、サルタ彦は精力強い神様の象徴になって行ったと書かれています。

島根県松江市 八重垣神社

八重垣神社の中に山神神社があり、以下の写真があります。もしかしたら、夫婦椿とは、サルタヒコとウズメノ命を表しているのかもしれません。藁蛇の原型のような縄は、古代の鳥居、二本の柱に通っているものです。天降神社の鳥居もこのようなタイプでしたね。

アメノヤチマタ(天八達之衢)で、瓊瓊杵尊の行く手に、眼力が強く恐ろしい形相の神が待ちかまえていたので、ニニギノミコトは天鈿女を使わして、彼女は胸をあらわに、裳の紐を臍の下まで下げて問いただすと、その神は猿田彦であり、瓊瓊杵尊を筑紫の日向の高千穂まで送る道案内(海の道)のために待っていたことがわかります。アメノウズメはスタイルがよく勝気な女神だったのでしょうか。

祭神となっているのが三重県鈴鹿市椿大神社徳島県鳴門市の大麻比古神社椿大神社の椿と、この夫婦椿が呼応しているように思います。そして、夫婦椿と男根がセットになっていることからも、サルタ彦大神を表している気がします。

 

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蛇が象徴するもの

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「サルタ彦大神と竜ー古代の子宝信仰」谷戸貞彦著

 

谷戸氏は、蛇は男性自身を象徴していると書かれています。藁蛇も、縄文土器についている蛇も、そういうことなのでしょうね。古代において最も重要だったのが子孫を残すこと。

アジアにナーガと呼ばれる大蛇がありますが、日本にも地名で残っていますよね。福岡県那珂川市、栃木県那珂川町。栃木県那須山麓から流れる那珂川。伸ばして発音するとナーガです。川は蛇のイメージにぴったりですね、形が。

以前は、インド、東南アジアの蛇信仰を持つ人々が日本に移住して来たのかと想像していましたが、縄文時代から、日本に蛇を男性自身の象徴として崇める素地があったということのようです。

環状列石の円形に並んだ石が女性自身、直立している石が男性自身を表しているとも書かれています。これは欧州にもありますね。秋田県鹿角市の野中堂遺跡の環状列石とブルターニュの直立した巨石遺物を例にあげて説明されています。パリの広場にあるオベリスクも同じく男根を表していると、どこかで読んだ記憶があります。

御柱祭の柱とか、大黒柱も男性自身を表したものだとか。愛知県小牧市田縣神社三重県津市の仲山神社のように、そのものをご神体としたお祭りがありますし、ズバリの形の岩は全国にありますね。

古代は女性上位の世界で、通い婚、女性に選んでもらえなかった男性はずっと独身だったことが万葉集からもわかるとか。

それで思い浮かんだのが紅白の水引です。水引も縄が上品になっただけで、元は蛇というか男性のものを象徴しているのでは。なぜ紅白かといえば、紅は女性の生理の血の赤を表し、白はこの本に書かれているように、精液を表しているのでしょうね、きっと。

 

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