好きなもの、心惹かれるもの

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「久家道子 プチポアンの花」

うっとりするほど美しくデザインされたプチポワンの刺繍と、それを加工後のバッグや額も素敵。パリでは、プチポワンを売っているお店はほとんどありませんでした。久家道子さんのショップこそが、世界一、充実していたと思います。何十年も前、銀座の和光で、プチポワンのパーティバッグが50万円もして売られていたのを覚えています。プチポワンのパーティバッグは、裏も表も、マチの部分も、びっしり刺繍がしてあるので、高いのです。手刺繍だから。ウィーンで、昔もっと安いのを購入したことがありますが、黄ばんでしまって、話にならず、捨てました。保管は桐の箪笥に入れるくらいでないと。刺繍が豪華すぎて、着物を着たときなどかなりフォーマルな時しか使えないので、額に入れるのが1番汚れないし、いつも見ることができて良いと思いました。パーティバッグは口金も凝っていて、女性の心をくすぐりますが、小さいから、本当に口紅と手鏡とハンカチ、ティッシュしか入りません。外出用ではないのです。バッグごと、立体の額に入れるならいいかも。飾りケースといいますか。

私はエルメスのバッグのような、高くて重いバッグは欲しいと思いませんが、プチポワンのバッグは、使うあてもないのに、美しさに惹かれて購入したのがあります。もはや芸術品という感じで、眺めて楽しむだけ。壁にかけておいた時期もありますが、埃をかぶるし。宝石よりも、やはり手仕事のプチポワンは、私にとって絶大な魅力があります。