好きなもの、心惹かれるもの

本、音楽、陶器、織物、手芸品をご紹介します。

雑感

藤原直哉氏が、お金をどう使うかが、問題なんだ、大事なんだ。と話されています。

気がつくと、我慢することが当たり前と刷り込まれていて、親子関係(親からの強いコントロール圧力とか)すら、我慢することが当たり前という目に見えない透明の圧力に長い間、悩まされてきました。そのしがらみから、自由になるのは大変難しい。自分が様々な思い込みや刷り込み、洗脳を受けてきて、そこからはみ出てはいけないと思い込まされてきたふしがあります。その我慢って公平なこと?と一歩下がってみる、もしくはもっと上から見て、そこからの出口を自分で探さないといけない、誰かに助けを求めて、助けてもらうのを遠慮してはいけない、と過去の自分に言いたい。

老後のために、とか、躊躇して、好きなものをパッと買えなかったこともありましたが、人生半分を超えたし、どんどん倒産してしまったり、値上げや品質を落として販売されるようになっているので、やっぱり出会った時に、一目惚れした品は、お買い上げ一択だなと思います。

アンリオ・カンペールの陶器も、15年ほど前に、カンペールまで出向いて購入して持ち帰ってきた食器と、今回輸入代理店から購入したものとでは、もう品質が違ったり、絵が変わってしまっています。当時購入した、それは愛らしい民族衣装の綿のナプキンなども、今は全く販売されていないようです。

私は職人さんの手仕事が好きなので、手作り感があって、これが素敵、これをおうちに置きたい、好きだわ、という漆器、陶器を使って生活することが楽しいのです。それはプラスチック製では絶対に得ることができない感覚です。

カシミヤ、絹の手触りも好きで、絹の下着を20年ほど着ていますが、綿とはまた違った着心地の良さがあります。でも、昨年から、絹、ウール、カシミヤは、爆上がりです。そういえば、数年前、デパートのお高い輸入店で、カシミヤのセーターが32万円ほどしていて、ドヒャ!と思いました。着物と同じお値段のセーターを初めて目にしたので。思わず、「これって毛玉できますか?」と聞いてしまいました。色といい、太くて柔らかいふわふわのカシミヤの毛糸といい、縄編みの模様といい、ドンピシャ好みでしたが、流石に買えませんでした。その値段だったら、腕時計も買えますし、高級羽根布団も買えるし、ほい、とは買えません。

でも、やっぱりどうしても好きだったら、買っても良かったかも、と今なら思えます。その代わり、大事に大事に着て、手洗いして愛用するでしょうね。だって、着物だったら、その値段で購入したとして、おそらく1回か2回しか着用しないから、冬場に何度も着られるカシミヤセーターの方が、出番は多いから、元も取れるし、着るたびに幸せを感じるなら、それでも良かったかな、と。

着物用の桐箪笥がありますが、中身を整理して減らしたので、空いた引き出しに、ウールのパンツやセーターなどを収納してみたところ、とても見やすいです。オーダーで、箪笥の深さが浅い引き出しの方が多いためです。一眼でパッと見つけられるので。またウールのものは、オープンスペースにハンガー掛けよりも、桐の箪笥の方が、虫がつかないと思うので。

今年の冬は、本当に寒いので、20代の頃からちょこちょこ買って持っていたアクセサリー類を処分して、代わりに暖かいカシミヤニットや絹の下着を買いました。最近あまりネックレスなどされている方を見ませんよね。若い頃は、ちょっとお出かけだったらゴールドのネックレスなどするのが普通の感覚でしたが、アクセサリーはもう卒業してもいいと思って、ほとんど手放しました。

絹は、スムースニットと呼ばれるものが最上で、次がフィラメント。この二つは、光沢がある天竺、Tシャツのような伸縮する布地です。それが昨年も4回値上がりして、絹紡と呼ばれる光沢のないタイプの少し安い絹の天竺の商品が増えています。スムースニットを着て着心地の良さに慣れてしまうと、絹紡は物足りないのです。スムースニット、フィラメントの方が暖かく感じます。以前はずっと手洗いしていましたが、最近はネットに入れて洗濯機にしていますが問題ありません。洗剤は少なめで、より自然のものにしています。

お金を使うのも、より自分が居心地良く暮らせるものに、使うようになったなと思います。今度薔薇の花束をポケットマルシェで購入したら、最後の花びらをお風呂に浮かべて楽しもうと思っています。

藤原氏の動画を聞いていたら、今年は倒産する会社がとても増えるだろう、と予測されていたので、なおさら、いいわね、と思ったらその場で買わなくては、と思います。それはその会社を助けることにもなるでしょうし、自分もその商品で楽しむことができるからです。

過去にお気に入りで倒産した会社といえば、神戸の素敵なカシミヤニットのブランド店とか、プチポワンの刺繍の商品で有名だった久家道子さんの会社、「のだめカンタービレ」のドラマの主人公がいつも着ていたチェックのお洋服のYORKという会社。あの時買っておけば良かったーと思ったことがあったので、出会いがピンと来たら買わなくちゃ、と思うのです。

お札は紙切れ、お金は数字にすぎなくて、それを何か必要なもの、欲しい商品と交換した時に、初めてお金の意味ができる感じです。狸が葉っぱやどんぐりで、お店に買いに行くのとあまり変わらないような。お金そのものは、得るには大変なのに、単なる紙よねーとつくづく思います。デジタル通貨になったら、私の脳はついていけるのか、まだわかりません。私は紙派です!