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私が折った花紋折り

50年ほど前にもらった、明治生まれの祖母が折った花紋折りですが、捨てるに当たって、小さな和紙の細工でも、何か愛情を感じて、ジーンとくるものがありました。奇跡的に茶色くシミにもなっていない数点は、やはり捨てられず、とっておきました。

さて、以前は作り方がイマイチわからず、もらった細工を型紙にして、その上に同じサイズの紙を置いて、折り線をつけて、折ることによって、同じものを作っていました。

今回、祖母が参考にしたと想像される、明治11年生まれの内山光弘氏の「花紋折り」という本を何十年も前に購入しておいて、見ましたが、360度の分度器で、15度傾けて印をつけるという非常にそっけない説明だけでは、私の脳と手がついていかず、さりとて、ここで引き下がるのも悔しいので、とっておきのやりかたを見つけました。今年の6月18日の記事に、内山光弘氏の花紋折りの本をご紹介しています。

図のように、正方形に、4本の平行線を書き入れます。この斜めの角度によって、表に出る四つ葉のお花のような模様が決まってくるのですね。このピンクの和紙の折り紙は、5cmと3cmを正方形の一辺から下に印をつけて、斜めに線を引き、中央にできた正方形にそって、スカートのプリーツを畳むように、折りたたんでいきます。一辺を折ったら、広げて、また次の一辺を折る、を4回繰り返して、最後に中央に折りたたむ感じです。

この5cmx3cmの傾きは、下の写真の左上の、桃色の折り紙の形になります。

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右上のショッキングピンクは、5.5cmx3cmで折りました。0。5ミリの傾きの差によって、完成したものは、約0。5ミリずつ小さくなっています。そして、出てくる形が全然違うのが面白いと思います。緑以外は、既存の折り紙で折りました。左下は、和紙風の便箋を切って作ったので、なみなみ線が可愛くなりました。

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こちらは、お年玉を入れたらどうかしら、と思って、A4サイズ、約21cm四方の紙から作りました。左のものは、7cmx4、5cmで、形は1番の桃色と全く相似形になっています。

そして右の風車のようなものですが、こちらも同じ7cmx4、5cmの傾きですが、内側に折らないで、外側に折ってみたら、このような形が出てきました。このような意外性が、折り紙の楽しさですね。完成形は、約9、3cm四方ですから、一万円札も楽々入りますよ。左は、古い和紙の便箋を切って正方形を作りました。右はA4のカラーコピー用紙です。障子紙の余りでもあったら、それが折りやすいと思います。コピー用紙より、柔らかい和紙の方が、折りやすいと感じました。

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面白くなってきたので、あれこれ折ってみました。0、5ミリの差で、どんどん違う形が生まれてくるのは、ちょっとした驚きでした。ご覧のように、底面積も変わってきます。

左上ピンク 7、5cmx5cm

右下ピンク 7、5cmx4、5cm

右上空色  8cmx4cm

左下空色  7cmx4、5cm 上の写真と同じもの

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そしてこれも、捨てきれなかった、50年前にもらったA3くらいの大きな千代紙。26cmx26cmの大きな正方形から作りました。一辺から、9cmx4、5cm下げて、斜めに線を引きます。完成形は、約10、2cm四方くらいになります。ラブレターもらくらく入ります。写真とか。これだけ大きいと、千代紙の蝶々が乱舞するし、矢絣もあちこち向いて、生き生きした表情になります。

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五角形、六角形、八角形の花紋折りは、苦労が多い割に、ものが入らないので、今回はパスしました。正方形が実用的でございます。

孫でもいたら、たくさん作って、厚紙から10円や100円を切り抜いて、お店やさんごっこをするのですけれども。でも今の子どもは、そういうままごとはしないのかも。ちょっと昔が懐かしくなりました。