アガサ・クリスティの映画やドラマで、最も印象深かったのが、「ナイルに死す」。オリビア・ハッセーやマギー・スミスの脇役が良かった。舞台がエジプトなので、異国情緒もあって。
この「検察側の証人」1982年のドラマ化は初めて見ました。デボラ・カーによく似ている、と思ったら、本人でした。1957年同じ検察側の証人を、ビリー・ワイルダー監督がモノクロで撮っています。クリスティーン役は、マレーネ・ディードリッヒ。
クリスティの犯人は、貴族側が夫や妻を殺すケース、使用人側が貴族側を罠にかけて犯人に仕立てるケース、精神異常で深い悪意を家族や他人に持つケースが多いです。
英米のドラマ、映画は英国人、米国人俳優が入り乱れて出演しているんですね。家政婦役の女優さん、映画「赤毛のアン」に出演されていたのを思い出しました。1980年代の映画、ドラマは最近のより雰囲気があっていいですね。
「パディントン発4時50分」 1987年 ミス・マープル役:ジョアン・ヒクソン
4:50 from Paddington miss marple Joan Hicksonで検索すると出て来ます。
とてもよく出来ていて嫌味がなく、後味も良くて、ユーモアもあって、ミス・マープルシリーズ中、1番好きです。
当時のファッション、襟が大きくて、タイトスカートは長め、ボックスプリーツ、クラシックで昭和30年頃の感じでしょうか。とても素敵。
この写真はルーシー・アイレスバロウ
原作「パディントン発4時50分」1961年
ミス・マープル役:マーガレット・ラザフォード。キダー夫人役でジョアン・ヒクソンが出ていて、この場面は2人のミス・マープルが出演しています。アガサ・クリスティは、マーガレット・ラザフォード出演のマープル映画が気に入らず、ジョアン・ヒクソンに直接、年を取ったらミス・マープルを演じてほしいと申し入れたそうです。そういうわけで、ヒクソン版が原作に忠実なのでしょう。
Mr.Stringer役のStringer Davis
マーガレット・ラザフォードが演じているミス・マープルには、原作にはないストリンガー氏が出て来て、相棒になっています。押せ押せのマープルと、控えめなストリンガーのコンビがほんわかして楽しい。彼女のマープルものは、もはやコメディに近いのですが、後々ホラーっぽくなるジャラルディン・マクイーワンやジュリア・マッケンジーのミス・マープルよりずっといいと思いました。wikiで見たら、二人は実生活で夫婦でした。そもそもハープシコードのテーマソングが明るくて楽しそうな曲。
ミス・マープルが船に泊まることになり、乗組員がそれぞれ1ランクずつ部屋をずれて移動するシーンが可笑しい。フェンシングで犯人と対決したり、勇ましい。
ミス・マープルとストリンガーさんのダンスがなんとも可愛い。
「書斎の死体」の舞台、ゴシントン・ホールとミス・マープルの家(中央)の地図
「なぜエヴァンズに聞かなかったのか?」 Francesca Annisの衣装がいつも奇抜で、衣装を見ているだけでも楽しいドラマです。ミス・マープルシリーズで1番原作に忠実なミス・マープル役ジョアン・ヒクソンがこのドラマに出演していて、若い頃からこういう喋り方だったのがわかって楽しい。
ほとんどのクリスティのドラマ化を一覧にして纏めてあるサイトです。ピーター・ユスチノフのポワロとジョナサン・セシルのヘイスティングスも、笑えて良かったです。