好きなもの、心惹かれるもの

本、音楽、陶器、織物、手芸品をご紹介します。

2020-03-10から1日間の記事一覧

「卑弥呼と神武が明かす古代」

内倉武久著 ミネルヴァ書房 2007 p51 絹織物研究の第一人者、布目順郎氏(元京都工芸繊維大学教授)の研究を紹介しよう。弥生時代に絹織物が出土しているのは北部九州一帯と、鳥取県の一箇所だけである。 今のところ1番古いのは、福岡市早良区の有田遺跡だ…

「太宰府は日本の首都だった」

内倉武久著 ミネルヴァ書房 2000 ハイライトは姫氏(紀氏)・松野連の系図。太宰府市周辺の古墳から盗掘された新羅風の冠と玉ねぎ型の冠も素晴らしいです。姫氏の王冠だったのでしょうか? p31 九州大学中橋博教授らと上海自然博物館の共同調査では、北部九…

「謎の古代巨大氏族 紀氏」

内倉武久著 三一書房 1994 姫、紀、貴、木、Ki氏は藤原氏の影に隠れてしまったけれど、天皇家の血脈にあり、紀氏としても現代まで繋がっているし、他の苗字でも残っている。 p32 紀氏は元来、中国の古代国家 周(紀元前1100-256)と、周の滅亡後分裂した国の…

「中世都市 博多を掘る」

大庭康時ほか 海鳥社 2008 「中世都市 博多を掘る」大庭泰時、佐伯弘次著 海鳥社 2008 p21 1218年、延暦寺末太宰府大山寺の神人で通事・船頭である張光安は、貿易の利権をめぐる争いからであろうか、石清水八幡宮領筥崎宮留守行遍・子息光助らに博多で殺害さ…

「日本人の心の故郷への帰路 幻の橋」

ヴァンミーター・美子著 レムナント出版 1997 p154 毎年過越の祭と仮庵(かりいお)の祭がイスラエル人の間で盛大に行われている。仮庵の祭は太陽暦では9月中旬から10月中旬になる。40年の荒野での生活と約束の地での主なる神の恵みの収穫を記念として祝…

「メキシコの大地に消えた侍たち」

大泉光一著 2004 p23 当時ペルーに居住していた大半の日本人は1610年前後に日本を脱出し、フィリピンのマニラとヌエバ・エスパニアのアカプルコ港を経由してペルーに辿り着いたのである。彼らは自然移民男子、日本からポルトガル領マカオに追放され、ポルト…

「贋金つくりと明治維新」

徳永和喜著 新人物往来社 2010 幕末の藩主自らの許可による贋金作り。証拠の日記が今でも残っていることには驚くばかりです。 p13 贋金作りのきっかけは、藩主島津斉彬が集成館事業で膨大な資金を必要とし、経済的補填を考えたため。 p214 両替商人は三井組…

「近衛文麿 野望と挫折」

林千勝著 ワック出版 2017.11.24 近衛文麿が、昭和天皇の前で足を組んでいた話はどこかで読んだけれど、昭和天皇を仁和寺に落飾させ、金堂に住まわせるつもりだったとか。戦死していただくことも、本当の国体護持ではないか、いうくだりが最も仰天したところ…

「沖縄決戦 高級参謀の日記」

八原博道著 2015.5.23 中公文庫プレミアム かなり広範囲に、アジア中に兵を送ったのに、なぜ北方四島と沖縄には充分な兵を送り、守備しなかったのでしょうか?戦争末期において、沖縄の守備はむしろ減らされていたなんて。読んでいると、孤独で冷静な八原大…

「雲南の歴史 アジア十字路に交錯する多民族世界」

川野明正著 白帝社アジア史選書 2013/12/20 雲南省が日本とほぼ同じ面積であること。その中に28もの少数民族が生活していること。鉱物資源の産地で、モンゴル帝国の銀の流通を支えたこと。聞いたこともない民族の名前がずらずらとリストアップされています…

「契丹 遼と10-12世紀の東ユーラシア」

荒川慎太郎 (編集), 高井康典行 (編集), 渡辺健哉 (編集)勉誠出版 2013 契丹語と古代トルコ語の皇帝、皇后、妃、王子、部族長等の尊称が同じって面白いです。どちらも同じ血族が支配したから?三叉の突起のついた帽子をかぶる西ウイグルの王族の壁画と、酷…

「匈奴ー古代遊牧国家の興亡」

東方選書 2015/10 沢田勲著 以前読んだ本の中で、面白かったことを要約します。 小林惠子先生によると、匈奴の末裔が突厥、エフタル、鮮卑のようです。これらの民族が、古代天皇家にも影響を及ぼしていたそうです。 この写真は、創元社の「図説中国文明史」…